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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第88話 銀の襲撃
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「エマ、あんたの我儘を我慢してたけどこれ以上は無理よ。そいつの事は諦めなさい」
「セリーヌ!そんな……!」
「煩い!大人しくしてなさい!……ほら、この子はもう関係ないからさっさとそいつを殺してどっか行きなさいよ」


 セリーヌはリィンさんを見捨てるつもりだと分かり私は障壁を解除しようとしますがお腹の痛みで集中できずにそれは叶いませんでした。


「……唯の猫ではないようだな、だが私には関係ないことだ。仕事さえ済ませれるのならその少女に危害は加えない」


 銀はそう言うと大剣を構えてリィンさんの元に向かいました。


「お願い!止めてください!その人を殺さないで!」
「……済まない」


 銀はそう言うとリィンさんの首に目掛けて大剣を振るいました。私は最悪の光景を見たくなくて目を閉じてしまいました。


「ぐっ……!?」


 でも聞こえたのは銀の苦しそうな声でした。恐る恐る目を開けてみると……


「リィンさん!?」


 なんと意識を失っていたはずのリィンさんが起き上がって銀のお腹に太刀を突き刺していたんです。


「馬鹿な、毒は効いていたはず……!」
「確かに全く効いていないわけじゃない、でもこのレベルの毒は人体実験の際に何回も身体に入れられたから耐性が出来ているんだ」


 リィンさんはニヤリと笑いながら毒に耐性があると言いました。じゃあ最初から意識を失っていなかったと言う事ですか!?


「ぐっ、次はこうはいかない……!」


 銀はそう言うと煙玉と閃光弾を投げて視界を遮ってきました、そして気が付くと姿を消してしまっていました。


「……気配が完全に遠のいた、逃げたか。敵ながら見事な判断力だな」


 リィンさんはそう言うと太刀をしまい私の元に来ました。


「エマ、大丈夫か?けがはしていない?」
「リィンさん、毒は?」
「ん?ああ毒?それなら問題ないよ。まったく効かないわけじゃないけどこの程度なら死ぬはしないさ」
「……馬鹿!」
「おわっ!?」


 感極まった私はリィンさんに抱き着いてしまいました。


「馬鹿馬鹿!リィンさんの馬鹿!私リィンさんが殺されてしまうって本当に怖くて……!」
「ごめんな、怖い思いをさせてしまって……やっぱりギルドに残っていてもらった方が……」
「そういう事をいっているんじゃありません!」
「えっ?」


 私に怖い思いをさせたから怒っていると思っているリィンさんに私はそうじゃないと言いました。


「私が怖かったのは自分が殺されると思ったからじゃありません!リィンさんが死んでしまうのが怖かったんです!」
「エマ……」
「フィーちゃん
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