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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第88話 銀の襲撃
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をして持っていた太刀を銀に投げつけた、まさかの行動に奴は一瞬硬直したが見事な身のこなしで太刀を回避する。


「破甲拳!!」


 俺は銀に接近して奴の胸に破甲拳を打ち込んだ。奴は咄嗟に右腕を差し込んで防御するが大きく後退して体勢を崩してしまう。


「今だ!」


 俺は太刀を拾いあげて銀に斬りかかった。


「ぐっ!?」


 だが足に鋭い痛みが走り俺は動きが止まる。


「死ね」


 その隙を狙い懐から短剣を出した銀が俺の胴体に目掛けて突きを入れようとする。


「イセリアルキャリバー!」


 だがエマの放った光の剣が銀に襲い掛かった。攻撃を中断した銀は身をひるがえして剣を回避する。


「済まないエマ、助かったよ」
「リィンさん、大丈夫ですか!?」
「ああ平気だ、コレが刺さっていたみたいだな」


 俺は足に刺さっていた物体を抜いて確認する、それは棘のようなものだった。


「まきびしか、初めて見たぞ。俺達猟兵は足元の罠対策に靴に鉄板を仕込んでいるんだが……」
「軽い鉄板くらいなら貫ける特注の鉄で出来ている」
「なるほど、対策はバッチリか」


 いつの間にか姿を消していた銀が丁寧に説明してくれた。


「リィンさん、魔法で姿を追ったのですが見つかりません……!」
「銀は伝説の存在だと言われている、そういったオカルトにも詳しいのかもしれないな」


 エマは魔術で銀を見つけようとしたが駄目だったらしい、恐らく何かしらの対策がされているのだろう。


(まさか銀が出てくるとはな、一番良い方法はコリン君を連れて森から出る事だが隙が無い。それに万が一撤退されたら俺は奴の襲撃に常に怯えなければならなくなる、出来ればここで何とかしたいが……)


 俺は残月の構えになり思考を巡らせる、まさかこんなタイミングで伝説の暗殺者である銀に狙われるとは思っていなかったからかなり焦っている。


「昨日といい今日といいなんでこうもヤバい奴に狙われるんだ?」
「おしゃべりとは余裕だな」
「っ!」


 右斜めから殺気を感じた俺は残月でカウンターを取る、しかし……


「丸太!?まさか噂の『変わり身の術』か!?伝説の暗殺者は「ニンジャ」だったのか!?」
「ニンジャではない」
「うおっ!?」


 俺が切ったのは丸太だった。変わり身の術を見た俺はつい興奮してしまった、なにせカルバート共和国で男の子に憧れられるニンジャをこの目で見られるとは思っていなかったからだ。


 背後からクナイを投げつけられたが身をひねって回避する。


「くそっ!男の夢を壊しやがって!」
「リィンさん、ニンジャって一体……」
「話は後だ
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