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俺屍からネギま
一族そして誕生
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その声を聞いた哲心は「…産まれた……。」と緊張が抜けるかの様に声を出した。

周囲の者は次々に声をかけた。

「おめでとうございます。」

「お目出度うございます、当主様!」

「皆、ありがとう。」

皆が皆、お祝いの言葉を紡ぐ中、美幸は興奮を抑えつつ声を掛ける。

「当主様、今は奥様とお子様の所へ行きましょう。」


「おお、そうだな。早速行こう。」
余りの嬉しさで締まりの無くなった顔で、哲心は立ち上がり歩きだす。



それに二十人余りの者が続くように部屋を出ようとしているの見て美幸は、呆れながらも強く「まずは当主様だけで様ございます。奥様もお疲れのはず、皆が行っては迷惑です。部屋に入らず待っていましょう。」と周りを諌めた。


部屋の前まで来ると、哲心は「では皆はココで待っててくれ。」と一言言い、中に入り襖を閉める。すると残った者の何人かは、ササッと襖に耳をくっつけ聞き耳を立てる。

(やれやれ、しょうがないですな〜。)
美幸は、諌めるのを諦め共に聞き耳を立てる。



哲心が部屋に入ると、布団で横になっている美しい最愛の女性とそのそばで産まれたばかりの赤子を抱いている眼鏡をかけた女性がいた。

「当主様、お目出度うございます。元気な男の子が…立派なお世継ぎが産まれました。」
眼鏡をかけた女性・イツ花が声を掛けた。

このイツ花、哲心が小さい頃から御陵一族で働いており、かくゆう哲心もまたイツ花に取り上げられたのだが、ずっと容姿が変わらない。その事を聞いてもいつも煙に巻くのだが、事情を知っているのは歴代の当主だけで他の者はまず知らない。
皆不思議に思っているが、イツ花が献身的に一族に仕えているのは自他ともに認める事実なので興味はあっても無理に聞き出す者はいなかった。

その時部屋の外で聞き耳を立てていた集団は、母子ともに健康であり男児のお世継ぎが産まれた事を知った事で色めき立った。
「静かにせよ、気持ちは分かるがココで騒いでは奥方に迷惑です。お前たちは他の者にも急いで知らせよ。お前達は宴会の準備じゃ、今宵は目出度い日故…財務の者に渋るなと言うておけ。……ホラっ早く行きなさい。」


美幸のテキパキとした指示に感心しつつも、哲心は二人に声をかけた。
「おおっ〜ありがとうイツ花。はるも良くやってくれた、身体は大事ないか?」

はるは、御陵一族の敷地内にて存在している孤児院で育った女性だった。
【御陵一族は朱天童子討伐後も活動していたが、その際親を無くした子供を見つけては親族を探していたが、皆が皆親族がいるわけでは無くまた親族がいても引き取る経済状態では無い事も多かった。その為に、御陵一族は敷地内に孤児院を建てて、独り立ち出来る頃合いまで育てて来た。子供達の中には、妖と
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