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盲目の猫達は幸せを見る
第三章

[8]前話
 コーの膝の上に来た、そして丸くなったが。
「この娘はいつもです」
「コーさんの膝の上にですか」
「来まして」 
 そうしてというのだ。
「こうしてです」
「丸くなりますね」
「はい」
 そうだというのだ。
「こうしてです」
「そうですか」
「それで撫でると」
 実際にここで頭を撫でた。
「喜んでくれます」
「ニャア」
「この娘も同じです」
「うちの娘達とですね」
「目は見えません」 
 このことは事実だというのだ。
「全く、ですが」
「それでもですね」
「とてもいい娘です」
 こう言うのだった。
「他の子達と同じだけ、ですから」
「愛おしいですね」
「心から」
「そうですよね、目が見えなくても」
 それでもとだ、エリカも応えて言った。
「猫は猫で」
「それで、ですよね」
「家族です」
「そして家族ならですね」
「愛おしいです」
「そうですね、私もです」
 コーは自分もと答えた。
「うちの娘がです」
「可愛いですね」
「ですからこれからも」
 そのスティービーを見て撫でつつ話した。
「一緒にです」
「いますね」
「そうします」
「私達も同じです」
「ニャア」
 ここでスティービーも鳴いた、そしてだった。
 二人はそれぞれの猫のことを話していった、そのうえで映像を制作していった。完成したそれを観た多くの人が心打たれたという。


盲目の猫達は幸せを見る   完


                 2023・10・19
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