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リュカ伝の外伝
暗躍.6「一番のマニア」
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たりがキツくなり、王家としてもネル家を追放するしかなくなる訳だ」

「そ、そんな事になったらラインハットは混乱します! 現状は程よいバランスで王家が統率出来ているんですから!」
「そうだね。ヘンリーが凄く頑張っているよ。でもこのバランスだって、グランバニアがラインハット王家と仲が良いから保たれているだけで、今回の事件で僕等が喧嘩し始めたら瓦解しかねないよね」
か、考えただけでも恐ろしい。

「どうだい。僕が暗躍したからこそ、僕だけじゃ無くて皆が得をしてるだろ? だからコレは僕の一人勝ちじゃぁなくて、あの馬鹿(ドン)の一人負けなんだよ。どう転んだって今回の件ではあの馬鹿(ドン)は一人負けなんだから、その負けっぷりを最大限に利用させてもらった訳さ。でもコリンズは知りたくなかっただろ……こんな真っ黒な裏側なんて」

「知りたくなかったです……昨日の朝までは晴れやかな気分だったのに」
俺はこの気分の原因を作った嫁を横目で睨む。
だが嫁は何時もの……いや、それ以上の可愛い笑顔で受け止める。

寧ろ俺の視線的に嫁よりも奥に居るウルフ君の方が苦虫をすりつぶした様な顔をしている……何故君が?
君は今回、殆ど関わっていないのだろうに。
そんな風に思っていると、俺の視線の先に気付いたポピーが勝ち誇った顔になってウルフ君の方に向いた。

「あ〜ぁ……アンタが私に余計な事を言わなければ、私の旦那が心にモヤモヤを抱えなくて済んだのに! 自称“リュカさんの腹心”を名乗るのなら、そのくらいは直ぐに対応しなさいよね! あぁ私だったら絶対に尻尾を掴ませないのに(ドヤ!)」
あぁそうか……そういう事か。

「ねぇねぇお父さぁん! 見てよウルフが描いてくれた絵を!」
「うわぁ相変わらず上手いな! このエロさ……ソックリじゃねーか」
妻は自分が一番のリュカフリークである事を証明したかったんだ。

これではサラボナ発行のフリーペーパーに自分の父親の偉業が掲載されている事をアンダーラインを引いて皆に配り回った妹と同レベルである。
無関係の人が見て微笑ましいか、心に黒い物を宿すかの違いだけだ……はははっ、些細な違いだな(泣)

「本当にこんな下着みたいな格好で生活している女って居るの? これ室内だけじゃ無いんでしょ?」
「僕も最初見た時驚いたけど、エロくて似合ってるから違和感が無いんだよ」
普段はウルフ君がリュカさんの力になっていて、その疎外感で鬱憤が溜まっていたのだろう。

「そ、そうは言うけど、その女……結構身持ちが堅いんだぞ! 俺が口説いたら蹴りを入れられたんだ!」
「アンタが口説いたって無理に決まってんじゃん! 馬鹿じゃ無いの?」
リュカフリークとしての実力を証明出来、目障りな小僧を口撃(こうげき)する事が出来てポピーは満足そ
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