暗躍.4「確定余生」
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りの外交が出来る。要するにお前を逮捕したらラインハットとの外交に歪みが発生し、逮捕しなきゃグランバニアとの軋轢を生む」
その通りだし、今現在はその通りに進行している。
でも誰が一番望んだシナリオかしら?
馬鹿には難しすぎるのかしら……一生懸命理解しようと考えている。
「サラボナは諜報員を使ってきた。これは建前上は存在しない人間って事だ。立前で存在しないと言い張ってるのに、他国が『存在したもん!』って言ってきたら如何する? 断固として否定するだろう。存在を否定するから今回の件も知らなかったこととして押し通す。それなのにネル子爵家はサラボナの関与を吹聴する。そうなったらネル子爵家、引いてはラインハットとも友好的な取引は出来なくなる」
「そ、それは困る!」
お義父様の言葉にミザン殿も頷く。
そりゃぁ世界流通の要だものね。
「僕は困らない。勿論グランバニアも困らない。サラボナはウチとの友好を深めようと条件を良くしてくれるだろうからね。因みにお前が今回の件を世間に知らせれば、我が国も遺憾を表明せざるを得ない。要するにラインハットとは友好国では無くなるって事だね。個人的には寂しくて嫌だが、僕も王様だからね……国家を一番に考えてる。まぁラインハットの貴族様方の中には、グランバニアは小国だと言って軽視してる方も居る様だし、国交断絶しても問題無いよね?」
「いえ困ります! 確かに愚かな貴族は、未だに貴国を軽んじている者も居りますが、実際問題……貴国からは素晴らしい発明品が多く輸出されており、我々はその恩恵を受けております。故に今回の件は我々だけで内々に収束させる必要がございます! 何卒、我が愚弟の結婚で済ませて下さい!」
可哀想に……
ミザン殿は下げたくも無い頭を深々と下げて弟を生け贄に差し出した。
如何やら全てシナリオ通りに進行しているみたいね。
悔しいわぁ……
気付くのが遅れたわ。
いや、でも……あの“一言”で気付けるのは、私とウルフくらいかしらね(笑)
ポピーSIDE END
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