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リュカ伝の外伝
暗躍.4「確定余生」
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影すると、リアルな絵が簡単に出来上がるんだ。お前の自称イケメン面も現像して彼女に見せてやるよ」
「ちょ……ちょっと待て! こ、この絵の女が俺の見合い相手なのか?」

「違うよ」
「あ、違うの!?」
え、違うの??

「お前の見合い相手ではなくて、お前の未来のお嫁さんだよ。お見合いで断る権利があるのは彼女の方だけ。お前はこの()と結婚しないと死ぬ……いや、殺す! お前は三国に迷惑を掛けた。だからこの()に気に入られて、機嫌を損ねない様に常々注意して残りの人生を彼女と夫婦として終わらせなきゃならないの。拒否権は無いの。この()と結婚して尻に敷かれ女遊びを止めて生きるか、即座に死ぬかしか選択肢は無いの。納得出来た? 出来なくても理解はしろよ!」

言葉は柔らかいが言ってる事は厳しい説得。
そして何より右手で奴の頭を握り、力を込めながらの説得だ。
本当に納得は出来なくとも理解は出来ただろう(笑)

「くっ、くそぅ……そ、そう言えば今、三国って言ったよな!? それって俺の住むラインハットとそちらのグランバニア……それとサラボナって事……ですか?」
「そうだけど……敬語を使え馬鹿者」
他に無いだろ馬鹿者。敬語を忘れるな馬鹿者(笑)

「じゃ、じゃぁこんな見合いは無しだ……です」
「何でだよ?」
何でよ?

「お、俺を助けたのがサラボナだからだ……です」
「サラボナが? 今回の件は知らないはずだが?」
知られてたらまた厄介なことになるしね。

「知ってたんだよ……ですよ。う、嘘じゃ無いぞ……ですよ。俺がラインハットに帰れたのは、サラボナの諜報員のマーニャって女のお陰なんだから……なんですよ」
「マーニャちゃん? 誰その美女?」
おや?

「真冬だってのに下着みたいな裸同然の格好をした美女でさ、きっと俺に気があるんだと思うけど……助けてくれて俺をビスタの港まで魔法で送り届けてくれたんだ! ……くれたんです」
「知るかよそんな女」

「本当だって……ですって。俺のことを助けてくれたんだよ……くれたんですよ」
「違ーよ。お前の言ってる事が嘘でも本当でも関係無いんだよ」
そうかしら? ……まぁいいわ。

「いいか、その女は今お前が言った様にサラボナの“諜報員”なんだ。何で諜報員がお前を助けたかと言えば、サラボナが国家として今回の件に関わりたく無いからだ。何故ならラインハットの貴族であるお前が、自国……即ちサラボナでグランバニアの王族に対して暴行事件を起こしたんだ。それなのにサラボナは事件の発生を未然に防げなかったし、犯人であるお前を即座に逮捕出来なかった。いや、逮捕出来る状況にあってもラインハットの貴族を安易に逮捕することは難しいだろう。寧ろ何も知らなかったことにした方が両国に対して今まで通
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