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リュカ伝の外伝
暗躍.4「確定余生」
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(ラインハット城:会議室)
ポピーSIDE

「そうか……喜んで貰えて光栄だよ。だが言っておく……この縁談が破談になったら、お前の末路は死刑となっている。そこは理解出来てるよな?」
「し、死刑……わ、解ってます。要は相手の女性に気に入られれば良いのでしょ?」

本当に理解しているかしら?

「そうだよ。でもこの縁談が成立する切っ掛けになった出来事……つまりお前の巻き起こした事件とそれに関わる国家間の問題は、彼女には知らせてない。だから彼女には男を選ぶ権利が存在する。彼女の意思によって結婚相手を選ぶ権利が! 国家間の戦争を回避する為に、自身の結婚相手を強制されたとは思われたくないし、そんな事は絶対にしない! だから何度でも言うが、お前は以後の人生を生き続けたいのであれば、今回の見合い相手……即ち未来の嫁に気に入られ続けなければならない。結婚前でも結婚後でも、互いが老いた老後であっても、お前は浮気などをして夫婦関係に傷を付けてはならない。お前には離婚をする権利も、離婚を言い渡され拒否する権利も存在しない。お前と未来の嫁との夫婦生活が破綻したら、その時がお前の命日である」

「わ、解ってる! 要はその女に気に入られ続ければ良いんだろ?」
想像力が欠落した男ね。
今後何年生きるか分からないけど、生きてる間ずっとお前は嫁の機嫌を伺って生きなきゃならないんだ。

相手のことが“好き”……一瞬でもそう思ったことがある相手であれば、夫婦生活に躓いても何とか軌道修正させることにストレスは少ないだろう。だがお前は未だに相手の顔すらも知らないんだぞ。どんな女なのかも分からないのに、余裕をかましてるんじゃないよ!

「本当は……僕はお前を殺してやりたいぐらい怒ってる。でも他のネル子爵家連中には何にも悪い感情は存在しないし、ラインハット王国とも然りだ。だってヘンリーとは大親友だからね。アイツと戦争なんてしたくは無い。でも今回の事件は、それらの感情を遙かに超える!」

「そ、それは……ほ、本当に申し訳ございませんでした……」
やっと自分が助かる道筋が見えて、しかもそれが楽(本人(ドン)的には)だと思っているから、女を手懐けるだけで良いという好条件(笑)を逃さない為に、初めて謝罪の言葉を口に出した。
あぁ……残りの人生は死ぬ程苦労してもらいたいわ。

「それに僕は、ある人から『むやみに人を殺してはいけない』と諭されたんだ」
「そ、それは素晴らしい考えです」
お前にとってはそうだろうな……だが、お父さんにそんな事を諭す人物って誰だ?
マーサ様かな?

「因みにその人物はお前がレイプしようとした王太子妃殿下だ! お前が生きていられるのも、お前が酷いことをした女性のお陰である! その事を忘れるなよ!」
「は、はい! グランバニア王太子妃
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