暗躍.2「工作活動」
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だな。
(ドカッ!)
「だから、他人が如何思うかが問題だって言ってんだよ!」
「痛ぇ!」
苛ついたリュカ様が我慢出来ず殴る。見た目はか細い腕の女性だが、実際はリュカ様なので相当痛いだろう。そのギャップで余計に痛く感じてそうだ。
「兎も角お前も貴族なら解んだろ! 世間体がどんなに大事なのかってよ!」
「そ、それは……」
私には解りませんが貴族には問題なんですか?
「我がサラボナも、優良顧客である貴族を犯罪者として逮捕するのは世間体が悪いんだよ! これ以上説明しなくても解るよな!? なぁ!!」
「は……はぃ……」
リュカ様も面倒臭くなってきたらしい。我々がコイツを確保した理由付けも説明しないつもりだ。
「じゃぁお前をこれからラインハットに送ってやるけど、僕……私等の事は誰にも言うんじゃねーぞ! サラボナはお前を逮捕しなかったことは否定するからな! いいか、お前は自力でラインハットに帰国したことにしろよ!」
「は、はいぃ……」
脅しという名の説得で今回の事を秘密にさせる。でも其奴、絶対に喋りますよ。
「じゃぁ送ってやるから立て!」
「痛い痛い痛い!」
男を送り届ける為に起ち上がらせようと髪の毛を掴み引き上げる……が、
「ん……如何した?」
「足……足が!」
あ、そう言えば苛ついたホイミンが足の骨を折ったままだった。
「何だ……骨折してるのか。情けねぇな!」
「い、いや……これは……アイツが……(バキッ!)ぐはっ!」
骨折の原因を説明しようとホイミンを指差したら、彼に思いっきり殴られた。酷い……
「お前が暴れたんだろ。ベホマ」
まったくその通りだが同情もしないリュカ様は、骨折箇所を整えないまま治癒魔法を唱える。
案の定、足は少し歪んで癒着した。
「ところで……お前、よく見たら鼻も折れてんじゃん。何で?」
「こ、これは……」
慌てて鼻を隠す男。
ホイミンも手(触手)を横に振り、自分じゃない事をアピール。
「まぁいいや……おら、もう歩けんだろ。屋上まで来い。ルーラでラインハットのビスタの港まで送り届けてやる」
「え、何でビスタの港なの!? せ、せめて王都まで……」
甘えるな馬鹿。
(ボカッ!)
「昨日までサラボナの山奥の村に居たのに、今日にはラインハット王都に居たら変だろが! 港からは自力で帰れ馬鹿!」
「うぅぅぅ……」
何も殴らなくても良くないですか? 泣いてますよ。
足の骨折は治してもらったが、頬を殴られ顔を腫らす馬鹿。
そんな馬鹿の髪の毛を鷲掴みにして、引き摺る様に部屋を出て行くリュカ様。
我々の任務も終わった様だ。
プックルSIDE END
(サラボナ:ルドマン邸)
アンディーSIDE
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