第一章
[2]次話
ジープを買いたい夫
新しい自家用車を買うことになってだ、サラリーマンの夫の六田佐夫は妻の愛実に対して強い声で言った、細面で色白で切れ長の目で黒髪を真ん中で分け耳を隠す位まで伸ばした穏やかな顔立ちで背は一七七位で痩せている。二人で家のテーブルに向かい合って座っている。
「ジープにしよう」
「ジープ!?」
妻はそう言われて瞬時に顔を曇らせた、切れ長の大きな目で色白でピンクの大きめの唇で顎がすっきりとした顔立ちで黒髪を右に垂らしている。背は一六六位でスタイルはいい。それは部屋ぎでもわかる位だ。
「どうしてなの?」
「恰好いいじゃない」
佐夫は真顔で答えた。
「ほら、戦争映画でも出るね」
「そうね」
妻もそれはと答えた。
「しょっちゅう出るわね」
「あれが恰好よくてね」
夫は目を少年の様にきらきらとさせて語った。
「昔からね」
「欲しいと思ってたの」
「しかも頑丈で壊れにくい」
ジープのこの要素のことも話した。
「かなり走られるしものを乗せられるスペースもあるし」
「いいっていうのね」
「一番いいのは自衛隊のパジェロかな」
目をうっとりとさせつつこうも言った。
「あれなら尚更ね」
「頑丈で」
「しかもね」
それに加えてというのだ。
「燃費も日本車だからいいし」
「ものも運べるっていうのね」
「うん、どうかな」
妻に目をきらきらとさせ続けたうえで提案した。
「ジープ、パジェロで」
「うちは普通のお家よ」
妻は何を言ってるのと顔に書いて答えた。
「自衛隊じゃないのよ」
「えっ、じゃあ駄目なんだ」
「当然アメリカ軍でもないのよ」
パジェロだけでなくジープの話もした。
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