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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
最高評議員たちと茶を飲み交わす
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。良くも悪くも見てきたものが違い過ぎるということだろう。
「支持者の手前、惚けることもあるということもあるだろうさ。“なんでも知悉してると振る舞う”ことは身動きが取れなくなる。それに――」
「それに、なんだね」
リヴォフ以上にロムスキーは先ほどの言葉を深く考えているようであった。
「今回は体よく連中が苦手な交戦星域対策を押し付けられたとも言えるよ。自由党の名を入れるという事は向こうにも相応に譲歩する必要がある」
リヴォフも思考を巡らせる。
「自由党を無下にはできん。与党3派が割れた場合はこちらにもダメージがある。組む相手を考えなければならない。カーティスもサンフォードもおそらく我々がどういった流れを作るのかを注視している」
「アレークシン、こうなると野党だが主権者自治連合(SAU)からの支持を何としても確保せねばならないと思う。パチェノ代表幹事との話し合いが今後を左右するだろうさ。マスメディアへの発表は彼らと与党が握手して起案者を確定させてからだ」
SAUは旧国民共和党系や同盟政党に加盟してない構成邦政党らが連合して生まれた地方分権派政党だ。同盟政府の権限増大や増税などに対する主要政党への不満から第四極と呼ばれるまで支持を集めている。その性質上、上院の同盟弁務官達との関係性も深い。
「だな。SAUはカーティスとも繋がりがある。いいや、我らが最高議長閣下をはじめとする国民共和党(NRP)の地方党人派もそうだ。与党の三党連立は予備選を控えて党内も連立も統制が弱まっているが逆に言えば野党とも手を組みやすい・・‥」
その場合の議長選への影響については考えなかった。手足を縛る法案を出す以上は流れに身を任せるしかない。
「問題は両極翼だな。人民防衛運動は・・‥」
”全ての権限を最高評議会へ!””国家の総力を挙げて専制主義の打倒を!”極右の寄り合い所帯だった人民防衛運動はこの25年で急速に支持を広めている。イゼルローン要塞がもたらした閉塞感の一側面だろう。
「絶対に出兵を求める。それで支持を伸ばせるからな。存続の危機だよ、彼らは」
イゼルローン要塞で固定化された不満と社会不安を糧にしてきた組織だ。報復主義は蜜のように甘い。夢想するだけなら、であるが。
「退役軍人組を実利で切り崩す・・‥いや宥める側に回ったとしても望外とするべきか」
ロムスキーは悲観的に首を振る。
「あそこの結束力をなめんことだ、主義者の集まりだぞ。それで食ってる連中も含めてな」
エル・ファシル議会の同盟懐疑派を思い出しているのだろうか、とリヴォフは思いいたる。アレはアーサー・リンチの置き土産ともいえる同盟への不信感が両翼で爆
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