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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
最高評議員たちと茶を飲み交わす
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な勢いで注ぎ込んだ。
「あぁそうだ。情報部門に予算を回せばアプローチの手段も増えるだろう?」
リヴォフは天を仰いだ。甘いものは得意ではない。
「アンタ、平和を求めているのではなかったのか?」
レベロはウインナーコーヒーらしきものを手渡す。ケルトの魂を感じる人もいるかもしれないが。
「これも平和だよ、うまくやれば旧式兵器を穀物や貴金属、エネルギー資源に変えることだってできる」
リヴォフは半眼でレベロをジロリと睨む。
「イゼルローン要塞は維持するのだろうね?」
「言っただろう?必要であれば譲歩をする。帝国より先に上院の議席が優先だがね」
「財務委員長閣下、貴方はクソ野郎であらせられる」
「光栄だね、軍の将官までなった男にそういわれるのであれば」
レベロは涼しい顔で珈琲を実に美味しそうに飲んだ
「それにねえ、君達は一つ勘違いをしているよ」
「我々の支持者が望むのは死者を減らし、景気を回復させ、健全な財政の下で安定した経済を取り戻すことだ。それが続くのであればむしろ帝国なんぞ地獄の窯の中を転げまわり、弱り続けることを望んでいるのだよ。連中が平和の中で微睡むなぞ恐怖でしかない」
レベロはいささか風味づけが強すぎたかな?と笑いながらコーヒーを飲みほした。
ロムスキーはいつの間にか止めていた息を吐き出す。ほんのりと酒精の香りがした。
「それで?自由党はこの法案をどう扱うつもりでしょうか」
「私はもう答えを言ったよ」
レベロはそう涼しい顔で返答した。
リヴォフは当惑したようにロムスキー代表を見る。ロムスキーは顎を撫でながら答えた。
「”政治に必要なのは二つ、求められる過程で求められたものに近い結果を出すことだ”、ですか。つまり起案に自由党議員の名前を入れろと?」
自由党党首にして最高評議会評議員たる財務委員長はニコリと笑った。
「参ったね、それでは無力な私はそれを止める手立てはない!そうなったら党内で私は反対し、妥協し、支持を党に求めるべく宥めて回るしかないじゃないか」
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車内でリヴォフは疲れ切った様子で背を伸ばす。
「レベロ、レベロ、アイツがあそこまで政治家だとはね!政局に疎いと評判だったし、実際にそう見えていたが」
――つまるところ”私は嫌な顔をして君らに妥協を強いてから賛成するからヨロシク!”といっているわけだ。あのリベラルは!
リヴォフは軍将校と構成邦政治家としてキャリアを歩んできた。レベロは首都圏から金融マンとしてサジタリウス腕全体の資金の流れを見てきた男である
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