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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
最高評議員たちと茶を飲み交わす
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程遠いというが軍拡・・‥いいや、即時再建を求められるよりはマシではないかね?我々の案が否決されるのであればトリューニヒト派の中でも強硬な連中が人民防衛運動と手を組んで案を出すに決まっている!」
「・・‥‥」
レベロは天井を見上げ、机を指で叩く。
「戦時国債を低金利の国債に借り換えられる、流通が回復すれば景気も回復する。必要であれば譲歩は可能だろう」
自由党党首はゆっくりと視線を交戦星域の利益代表者達へ戻す。
「だがそれをやるのなら停戦をするべきだ、と唱えるものがあまりに多い。いいか?退役軍人の雇用問題などよほど急激な軍縮をしない限りは存在しないのだよ」
自由惑星社会経済にダメージを与えている最大の理由は特に戦死者の大半が星間流通を担う技能労働者・技術者だからだ。
軍縮はそれを吸収する。それはそうだろう、国が支援すればどうとでもなる。
「だからこそ、自由党の支持者が望むのは死者を減らし、景気を回復させ、自由な気風を取り戻すことだ」
「自由党は健全かつ自由な経済を重視しておられますからな」
リヴォフが言外に込めた皮肉にもレベロは揺るがなかった。
「否定はしないがそれだけではないよ、戦時社会は異常な状態だ、それが長く続きすぎた」
「それはとてもよく存じています。財務委員長閣下のご指摘をいただくまでもなく」
リヴォフの圧を受け流し、レベロは人差し指を上に向ける。その眼に真剣な光が宿っていた。
「それでもいうさ、当然交戦星域の所為ではないさ。だがな、君達は強い者たちが残って耐えている、だが弱い者たちは耐えられない。せめて少しは楽にしてくれ、そうした声をいけ好かないブルジョアリベラル政党が拾うこともある」
リヴォフは背もたれに身を預けながら追究を続ける。
「だからといって停戦?あの皇帝の気まぐれで国内で数億人が死ぬまでは許容する国が?あの国に外交交渉など存在すると思うか?」
コーヒーメーカーが完成を知らせる音を鳴らした。
レベロは笑みを浮かべて頭を振った。そして立ち上がると戸棚へ足を運ぶ。
「外交交渉は存在しないが実利に適った抑制ならありうる、今の皇帝は立法行為を一度も行っていない。官僚貴族はブルジョアジーに蝕まれている。そして地方では領邦貴族が台頭している。そしてなにより、後継者が定まっていない。皇帝は今いくつだね」
何か瓶を取り出すとそこから酒精の香りがツン、と漂う。だが縦深の2人は”高度に政治的な期待を込めて”それを無視した。
「恒久的な和平ではないと?」
レベロは手際よく、”不明な液体”を珈琲が入ったポットに垂らし、さらに生クリームを取り出すと3つのカップに猛烈
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