夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第9話
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「あったよ……船が! 船を見付けたよ、皆ッ!」
「上福沢、でかした!」
島の外周を回るように先頭を走っていたGNドライブは、ついにホークアイザーが言っていた洞窟を発見する。その奥に隠されていた青基調の特殊哨戒艇――「マリンプロテクターサイクロン号」は、新世代ライダー達を待っていたかのように海上に佇んでいた。
「よし良いぞ、出せッ!」
「任せたまえよッ!」
その船体を目の当たりにしたGNドライブ達は即座に飛び乗り、素早くエンジンを始動させて行く。ホークアイザーの言葉通り、この船は並々ならぬ苛烈な駆動音と共に、凄まじい勢いで走り出していた。青い船体が海を切り裂き、大海原を疾走する。
「くっ……! 皆、振り落とされるなよッ!」
「さ、殺人的な加速ですわっ……!」
海を掻き分け海上を爆走する特注の哨戒艇は、ライダー達を乗せて瞬く間に洞窟の外へと飛び出して行く。ほんの10秒程度で最高速度に達した船体は、機雷の爆炎すら一瞬で突き抜けていた。手摺りや甲板にしがみ付くライダー達は、振り落とされないように必死に堪えている。
「あうぅっ……!」
「水見鳥ッ!」
船の移動速度自体もかなりのものだが、そこに機雷の爆発による衝撃も加わっているのだ。ホークアイザーが言っていた通り、並の人間なら容易く振り落とされてしまっていたのだろう。4人の中では最も腕力が低く、負傷者でもあるG-verYは手摺りから手指を滑らせてしまい、船上から転げ落ちそうになっていた。
「ぐっ、ぅおおぉッ……!」
「水見鳥、森里ッ! 2人共頑張れッ! もうッ……すぐだッ!」
そんな彼女の腕を咄嗟に掴んだタキオンは、脇腹の痛みに顔を顰めながらも懸命に耐えている。やがて彼も力尽き、手摺りから手を離しそうになっていたのだが――その寸前でターボがタキオンの肩を掴み、事なきを得ていた。
「……! 皆、見ろ! シャドーフォートレス島が……!」
「あ、あぁ……!」
そして。彼らを乗せた青い船が海上を駆け抜け――島から遠く離れた海原にまで辿り着いた頃。ついにタイムリミットを迎えた自爆装置が、その時を迎えた。
シャドーフォートレス島全域を飲み込むほどの爆炎が天を衝き、朝陽が昇る空を眩く照らし出して行く。ようやく安全圏に辿り着いたマリンプロテクターサイクロン号は、そこでエンジンを停止させていた。
「ふぅっ……! 皆、無事かい!? まさしく間一髪だったねぇ……!」
「あぁ、全員ここに居る。……まさか、最後の最後で敵に助けられるとはな。俺達もまだまだ、ということか」
「んはぁっ、はぁっ……!」
その光景を目の当たりにしたライダー達は、この船が無ければ自分達の命は無かったのだということを肌で理解する。舵を取っていたGNドライ
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