エルザvsバッカス
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ことで闘技場にいるマトーくんが心なしか嬉しそうに見える。しかもこの二人のバトル、なかなかに見応えがありそうだ。
グレイside
「おい。マジでバッカスが出てきたぜ」
エルザの予想通り相手の参加者はバッカス。あいつの性格なら残り一度しかない出場権をここでぶつけてきてもおかしくないが、それにしても思い切った戦法だと思ってしまう。
「向こうも私が出てくるのはわかっていたはずだからな」
「チッ、なんで俺じゃねぇんだよ」
お互いのことを理解し合っているからこその意志疎通というわけか。そんな中いまだに出場のないガジルは不満げに口を尖らせていた。
「ガジル、お前には一番重要な任務があるからな」
「任務だぁ?」
そんな彼に対してエルザは冷静さを保ちながら話しかける。ガジルはそんな彼女に対してガンを飛ばしながら苛立ちを見せていた。
「今、私たちのチームは人が足りない。下手をしたら明日の競技でほとんどの出場資格を使ってしまうほどにな」
ギルダーツもラクサスもナツもいない。最悪リザーブ枠もあるがそれを使えるのは一度だけ。そうなるともし明日競技パートもバトルパート二人選出なんてことになれば残りの出場枠が一回のみになってしまう。
「それがなんだってんだよ」
「昨日確認して見たが、どうやら競技パートやダブルバトルを一人だけにするのも最悪やってもいいらしい」
「はぁ!?なんだそりゃ!?」
てっきり救済措置でもあるのかと思ったが、そんな明らかに不利な条件に突っ込みを入れざるを得ない。ただ、運営側で決まっていることならそれに従うしかないのか。
「もしそうなったら・・・お前に行ってもらうからな」
「「!!」」
あまりにも理不尽な提案にも関わらず彼女はまるで気にする素振りがない。その目は明らかに本気の物になっており、俺たちは面を喰らっていた。
「面白ぇじゃねぇか、ギヒッ」
ただ、勝ち気なガジルにはいい提案だったらしく嬉しそうに笑みを浮かべている。エルザはそれを見て満足すると、闘技場へと降りていった。
「そんなことになったら・・・相当マジィけどな」
二対一なんて昨日の惨劇が起きかねない。もちろん相手にもよるが、できることならそうならないことを祈りながら俺たちは三人の意識が戻ることを待ち続けるしかないのか。
ソフィアside
「そういえばあの二人って初対戦ですか?」
「大魔闘演武ではね」
「妖精の尻尾が凍結封印される前に、一度戦ったことがあるらしいよ」
凍結封印前ってことは10年くらい前?そんな昔の話じゃ全然参考にならない
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