第3部
ジパング
勇者☆ミラクルチェンジ
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ひぇっ!? それ本当!?」
「まあ、あくまで噂ですから……。ですが異国の人を受け入れないのは事実です。幸いユウリさんたちは昨日村人が騒いでいただけで、まだヒミコ様のお耳には届いてらっしゃらないようですが……」
けれど噂が本当って可能性もある。特に派手な出で立ちのナギとシーラがヒミコ様の目に止まれば、問答無用で牢屋行きになる可能性も否定できない。
そんなとき、再びピンと来た私は、あるアイデアを思い付いた。
「そうだ! 私が代わりに生け贄になって、オロチの場所を突き止めるとか!?」
黒髪の私ならこの国の人と言われても違和感がないだろうし、ちょっと変装でもすればヤヨイさんとして振る舞うことも出来るのではないだろうか、と思ったのだが……。
「却下だ」
「ダメに決まってんだろ」
「絶対ダメ!!」
三人に即座に否定され、言葉に詰まる。
「お前、バハラタで変態仮面男に誘拐されたのを忘れたのか? 結局予定が狂ってお前も怪我をしただろ。ザルウサギがあのとき呪文を唱えなかったら、お前はカンダタに殺されたか売られたかしてたんだぞ? これ以上無謀なことをするのは俺が許さん!」
「そーだよ!! ミオちんに何かあったらあたし賢者辞めちゃうから!!」
「うっ……!?」
正論を言われ、ぐうの音も出ない。確かにあのときシーラが呪文でカンダタと応戦しなければ、私は今頃この世にいなかったかもしれないのだ。
「でっ、でもそれしか方法なくない? ヒミコ様に会う方法なんて、こっちが生け贄にでもならない限り、どう考えても無理だって……」
「待ってミオちん!! あたしにいい考えがあるっ!!」
突然声を上げたのは、何故か目を輝かせているシーラだった。
「本当か? ザルウサギ」
「うん☆ だからもし成功したら今度からあたしのことちゃんと名前で呼んでね、ユウリちゃん♪」
そう念を押すように言うシーラに、ユウリはたじろぐ。
「う……、善処する」
「だったらオレもバカザルじゃなくてちゃんと名前で呼べよな!!」
「バカザルはバカザル以外の何者でもないだろ」
……やっぱり二人とも気にしてたんだね。ナギも本当はユウリに名前で呼ばれたいのだと気づき、同情の視線を投げ掛ける。
「それじゃあ準備するからユウリちゃん、船まで一緒に来てくれない?」
「は? なんで俺が……」
いいからいいから、とシーラは抵抗するユウリを押しとどめると、家から出ていってしまった。
「何しに行ったんだろ、シーラ」
「さあな。けど、なんとなく陰険勇者が面白いことになりそうな気がするぜ」
二人を見送り、なぜかニヤニヤと笑みを浮かべるナギ。
そんなことを言っているからユウリに名前で呼ばれないのでは? と私はふと思ったのだった。
だが、二人が船に戻ってから、すでに
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