第一章
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七十過ぎの爺の現実
藤田主男は友人の若尾啓介の家の玄関でびっくりする位の美女に出会った、背は一七一位あり黒髪はロングで色白で楚々とした大きな目が印章的な顔で。
胸は大きく黒のニットのセーターからはっきりと形が出ている、九十はある。クリーム色のタイトスカートからは真っ白の形のいい生足が出ている。
その美女が家から出たのを見てからだ、彼は若尾の家に入ってから一緒に茶を飲む中で真顔で尋ねた。
「家に来る時に凄い美人が出て来ただろ」
「杏奈さんか」
若尾はすぐに応えた、二人共皺だらけの顔で髪の毛は真っ白だ、七十過ぎて時々シルバーワークで働いて年金を貰って暮らしている。
「次男の嫁さんだよ」
「そうなのか」
「ああ、凄い美人だろ」
「全くだよ」
「よくうちに来てくれるんだよ」
若尾は茶を飲みながら答えた。
「わしの世話にな」
「世話ってな」
「お義父さん藤田さんお菓子ですよ」
ここでだった。
茶色の長い細い質の髪の毛を束ねて左に垂らしたおっとりとした色白で整った顔立ちの一六九位の背の美女が部屋に来た、赤い上着からは九十以上ある胸がはっきりと浮き出ていて黒のひらひらとしたミニスカートからは真っ白い隠微な脚が出ている。
その美女が切った羊羹を乗せた皿と楊枝を置いて部屋を出た、藤田はその彼女もまじまじと見てから若尾に言った。
「長男の嫁さんのな」
「美沙緒さんだな」
「今の人もいるだろ」
「美沙緒さんもよくやってくれてるよ」
若尾はその通りだと答えた。
「実際にな」
「そうだよな」
「同居してな」
この家にというのだ。
「それでな」
「長男さん夫婦と同居してな」
「それで次男夫婦も近所に暮らしていてな」
「今みたいにか」
「毎日うちに来てくれてだよ」
それでというのだ。
「美沙緒さんと仲良くな」
「世話をしてくれるんだな」
「そうだよ」
こう話すのだった。
「こうしておやつだってな」
「持って来てくれるか」
「美沙緒さんが持って来てくれたけれどな」
今度は羊羹の話をした。
「杏奈さんが買って来てくれたんだよ」
「いたせり尽くせりだな」
「ああ、うちのが死んでからな」
若尾はこのことはしんみりとして言った。
「二年経つけれどな」
「息子の嫁さん達にはか」
「いつもよくしてもらってるよ」
「それは何よりだな、しかしな」
ここで藤田は若尾に言った。
「二人共凄い美人だな」
「性格もよくて家事だってな」
「出来るんだな」
「それで夫婦仲もよくてな」
それでというのだ。
「お互いの仲もな」
「今言った通りにか」
「いいんだよ」
そうだというのだ。
「これがな」
「いいことだな、しかしな」
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