夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第8話
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笑を溢す。
「……俺の負けだな、何もかも……」
その敗北宣言を経て、この戦いが真の決着を迎えた――直後。突如、このシャドーフォートレス島全体が激しい揺れを起こし、ライダー達の体勢を乱し始めた。予期せぬ地震にターボやタキオン達は顔を見合わせ、何事かと目を見張る。
「なっ……何だ、この揺れは一体っ……!?」
「……自爆装置だ。どうやらお前達の仲間が、俺達の司令を倒してしまったらしいな。あと数分で、この島全てが焼け野原と化すぞ」
「何だって……!?」
苦虫を噛み潰したような表情で辺りを見渡したホークアイザーの言葉を受け、ターボ達に緊張が走る。彼の発言が脅しの類ではないことは、島中から飛び出す火柱や地震の激しさが証明していた。
まさにこの瞬間。真凛・S・スチュワートからサラマンダーを託されたヘレン・アーヴィングの一撃がミサイルスパルタンを撃破し、シャドーフォートレス島の自爆装置が作動していたのだ。島全体が丸ごと焦土と化すほどの爆炎を呼ぶ、機密保持と証拠隠滅のための機能。そのカウントダウンが、ついに始まってしまったのである。
「不味いな、それなら早く脱出しないと……!」
「……お前達。その装甲の水滴を見るに……途中で機雷に船を壊された後、泳いで上陸して来たのだろう? 爆発の範囲は島の外にまで及ぶ。いくら最新式の外骨格と言えども、泳ぎでは到底逃げ切れんぞ」
「じゃあどうしろってんだ!?」
「……これを、持って行け」
ターボが詰め寄る中、ホークアイザーは手錠を掛けられたまま最後の力を振り絞るように懐へ手を伸ばし――何らかの「鍵」を地に落とした。乗り物のエンジンを起動させるキーのようだ。その鍵を目の当たりにしたGNドライブが、仮面の下で目を丸くする。
「これは……?」
「俺の旧型外骨格のために開発されていた、専用哨戒艇の起動キーだ。哨戒艇と言っても、最高時速は500kmを超えるモンスターマシン。並の人間が乗っても、そこまで加速する前に振り落とされてしまうところだが……お前達なら問題なく乗りこなせるはずだ」
「その船はどこにありますの?」
「この斜面を海岸線まで下り、右手沿いに回り込んだ先の洞窟に隠してある……。その船の装甲なら、島の外周に撒かれた機雷など問題にもならん」
鍵を拾い上げたGNドライブに対し、ホークアイザーは脱出の「切り札」となる自分専用の船の存在を伝える。G-verYの問いに答えながら船の位置を指差す彼の手は、力無く震えていた。もはや、自力でまともに動けるだけの力も残っていないのだろう。
「海岸線から右手沿い……!? かなりの距離じゃないか! 間に合うかどうか……」
「諦めるな仮面ライダー、お前達の足なら必ず間に合う。……この俺を打ち破った男
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