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鬱陶しい兄
第二章

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「だから本当にな」
「嬉しいのね」
「最高だよ、そして」
 目を輝かせて言うのだった。
「クライマックスにも勝って」
「そしてなのね」
「それからな」
「日本一よね」
「一九八五年以来の」
 昭和だと六十年になる。
「日本一だよ」
「そうなのね、カープはね」
 千佳はここでも冷めた目で述べた。
「残念だけれど」
「最後の日本一阪神より前だったな」
「一年だけね」
「一九八四年だったな」
「そうよ」
 昭和だと五十九年になる。
「その時にね」
「そうだったな」
「いや、カープもいい加減ね」
「日本一になりたいよな」
「三連覇した時は」
 二〇一六年からのことである。
「最初は究極の怪物が敵にいたし」
「大谷さんな、凄過ぎるなあの人は」
「それで負けたし」
 シリーズでというのだ。
「翌年はクライマックスでね」
「横浜に負けたな」
「この人にね」
 志村けんのアイ〜〜ンをしつつ話した。
「ラミレスさんが監督で」
「負けたな」
「それでシリーズに出られなくて」
 尚横浜はシリーズに出たがそこで敗れた。
「翌年はね」
「相手ソフトバンクだったな」
「強かったわ」 
 しみじみとして言った。
「大谷さんも強かったけれど」
「ソフトバンクはチーム自体がな」
「それでよ」
「まだ日本一になってないな」
「一九八四年以来ね」
「早くしたいな」
 寿はここで妹そしてカープへの気遣いを見せた。
「来年も阪神優勝だけれどな」
「そこでそう言うのがお兄ちゃんね」
「当たり前だろ、兎に角な」
 妹にさらに言うのだった。
「カープも三連覇してもな」
「日本一からは遠ざかっているのよ」
「そうだよな」
「それで阪神は」
「ああ、ここまできたらな」
 アレ即ちリーグ優勝を果たしたからだというのだ。
「もうな」
「日本一ね」
「最高のアレをな」
 これをというのだ。
「実現するぞ」
「そうなのね、ただね」
「ただ。どうしたんだ」
「二十一世紀に入ってから」
 それからとだ、ここで千佳は言うのだった。
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