第五章
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「そんな奴のところじゃな」
「人は育たないわね」
「わしがずっといた職場はな」
定年までというのだ。
「そんなことはな」
「なかったわね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「人も育ったけれどな」
「八条自動車ね」
「名古屋工場な、そこはな」
「いい職場で」
「そんな馬鹿みたいなことはなかったが」
それでもというのだ。
「今のドラゴンズは」
「流石に殴らなくても」
「威圧して萎縮されていてな」
「采配も起用も問題で」
「そこもな、チームの雰囲気が悪くて当然だ」
こう言うのだった、そして遅めの昼食のきし麺を食べてからはネットを観たり散歩したりの悠々自適の年金生活者の生活を送り。
夜は夕食だったが海老料理と赤味噌の食卓を食べつつだ、妻はテレビを観つつ夫にこんなことを言った。
「確か今ドラゴンズって白いご飯は」
「食えないな」
「そうよね」
「そのこともな」
夫は海老でご飯を食べつつ話した。
「立浪さんがだよ」
「言い出してよね」
「ああ」
それでというのだ。
「そうなったんだ」
「そうよね」
「何か動くが悪くなるとか言ってな」
白いご飯を食べるとだ。
「それでな」
「変なこと言うわね」
「このこともな」
「おかしいわね」
「幾ら監督でもな」
そうしたことを決める権限があろうともというのだ。
「そんなな」
「変なこと言うものじゃないわね」
「白米禁止はあったよ」
杉下は言った。
「そうしたチームもな」
「広岡さんの頃の西武?」
「ヤクルトもな、けれど実際にはな」
「やってなかったの」
「そうみたいだな」
その実はというのだ。
「どうも」
「そうだったのね」
「広岡さんは厳しかったけれどな」
それでもというのだ。
「無茶じゃなかったからな」
「それでよね」
「そこまではな」
「していなかったのね」
「何か白米以外のメニューも出して」
選手の食堂にというのだ。
「それがな」
「そう言われてるの」
「そんな話もあるしな」
「そうなのね」
「そんな立浪さんみたいなな」
「ことはしていなかったのね」
「ああ、あの人は感情出さないことでも有名だしな」
チームで何があってもだ。
「それでな」
「立浪さんとは全く違うのね」
「ああ、白いご飯食うなって言ってもな」
それでもというのだ。
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