またまたマリオネット・マリー
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ん。ご希望通り新曲は教えてあげた。次は君の番だよね?」
「当番制?」
「おいマリー! 俺達も暇じゃ無いんだから、サッサと欲望吐き出して叱られろ!」
「え、何? 叱られる様なことを言いに来たの?」
「ち、違うわよ! 別に悪い事じゃ無いモン!」
「じゃぁ何?」
「“印税”が欲しいの!!」
「印税!?」
確かに叱られる様な事ではないが、ストレートすぎるマリーちゃんの考えに流石の陛下も苦笑いが浮かび上がる。
「リュカさん……如何やら最近、音楽界隈ではマリピエの影響でポップスミュージックを演奏する者達が頻発しているそうなんです。でも流行の発信源であるマリピエの様に、自らはオリジナル曲を作り出せない愚か者共は、既に才能を開花させて世間に素晴らしい楽曲を発表しているマリーの曲を無断で使用して金儲けをしている輩が大勢いるそうです」
「でもそれはマリピエの作り出す曲が素晴らしいから、リスペクトを兼ねて普段コンサートには行けない方々にも届けてあげてるだけなんじゃないのかな?」
「確かに世の中に素晴らしい音楽があることを広めて、尚且つ自身の成長を促進させてるだけであれば問題は無いのでしょうが、連中はそこに幾ばくかの金銭が絡んできてるんです。リュカさんはご存じないかも知れませんが、ストリートミュージシャンは正式な職業では無く、金銭の授受は支払う側の意思に委ねられてるんです。だから金額は低くても、他人の功績で報酬を得ているんですよ」
「でも素晴らしい曲を広めたくなる気持ちは解るだろ?」
「別にその気持ちを否定してるのではなく、他人の功績で財産を築こうとしているのが問題だと思います。斯く言うこの生意気そうな女(アイリーン)も、仕事先のナイトバーで夜な夜なマリピエの名曲を勝手に披露して報酬と名声を得ているんです。その内『私が作った曲だ』とか言い出しかねませんよコイツ」
「え〜……彼女はピエッサちゃんのお友達でしょ? そんな事する様な娘には見えないけどなぁ〜」
「リュカさんは女に甘いからそう見えるんですよ。俺には分かります……コイツは何時かは盗作をするだろうって!」
「このやろう……」
予定通り“作詞”や“作曲”をした者の権利を守る為の法を作る為の小芝居なのだが、性格の悪い閣下から受けなくても良い被害を受けてしまうアイリ。
本当に前科があるだけに強くは言い返せない様子……まぁマリーちゃんは知らないから、話をややこしくしない様に大人しいだけかも。
「う〜ん……まぁ言わんとしていることは理解出来たけど、具体的には如何したいのマリー?」
「えっ!? あ〜……え〜っと……だからね……」
陛下と閣下の舌戦だ
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