マリオネット・マリー
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んには関係ない。
「何だよ、俺は忙しいんだよ」
そう言いながらも手にしてたファイルを机に置いて視線は我々に向けてくれる。
だが気になったのはファイルの中身……開かれたまま上を向いて置かれたので、中身が丸見えだ……そしてそこには、
「うわっ……何この女? ってか女? 凄ーブス」
失礼極まりないマリーちゃんの反応だが、正直反論も出来そうに無い。
兎も角ノーコメントを維持しよう。
「失礼な事を言うな! この女性は今度ラインハットの子爵家とお見合いをするんだよ。相手の男とそのご家族に見せる為、一番良い絵(写真)を選んだんだ」
「はぁ〜……リアルな絵ね。ウルフが描いたのよね?」
「そんなところだよ」
多分コレはMSVで撮影した物だろう。
閣下はまだマリーちゃんに言いたくない様で、写真に関しては言葉を濁している。
「で、何の用だよ?」
閣下は写真と一緒にファイルを閉じ、傍らに重ねてある書類の束の上に置く。
「あ、そうそう……実はね、」
・
・
・
「……だから何とかしてよ!」
マリーちゃんはアイリの事を矢玉にして現状に苦言を呈してる。
そう言えば聞こえは良いが、我が儘を言ってるに過ぎない。
「なるほどね……お前が作った曲で他人が金儲けをするのが気に入らないか」
「他人が金儲けをすることが気に入らないんじゃなくて、私にも儲けを回せって事よ!」
もうちょっと言葉を選びましょうよ。
「分かり易くて良いね」
「でしょぉ?」
もうちょっと言葉を選んで下さい。
「確かに最初に曲とかを作った人のことを保護しないとなぁ」
「でしょでしょぉ?」
マリーちゃんは自分の思い通りに進んで喜びが隠せない。
「ピエッサさんも以前に盗作された事があったもんね。他人事じゃぁないよね?」
「へー、ピエちゃんも盗まれたことあるんだぁ? 災難ねぇ」
コメントし辛いわ。
隣のアイリは凄い形相で閣下を睨んでいる。
「でも俺には如何する事も……音楽関連はリュカさんに相談しないとなぁ」
「ちょっとちょっとウルフ君。君は宰相閣下でしょ! 直ぐ王様に頼るのは良くないと思うなぁ……取り敢えず法律を作ってみちゃえば良いじゃん?」
陛下に話を持って行くと小言を言われると思っているのか、この場で法律を作らせようと足掻く。
「まぁそう言うなよ。丁度リュカさんに用があることだし、今から一緒に相談しに行こうぜ!」
だが陛下に相談することは既定路線である為、マリーちゃんの足掻きを無視して事を進める。
閣下は先程置いた写真入りのファイルを右手に取り、左手をマリーちゃんの右手と繋ぎ陛下の執務室へと歩き出した。
「え
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