マリオネット・マリー
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彼氏のラッセル君と共にコーヒータイムに入った。
そこで陛下から『そのうちにマリーが世の中で自分の曲が勝手に使用されている事に怒ると思う。もしその場に居合わせてたら、なんとか煽って激怒させてよ。そのうちにアイツの口から“著作権”とか“印税”とかって言葉が出てくるから、そうしたら一先ず成功ね。居合わせた君等は、僕かウルフの下に直談判させる様に導いてよ。ちょっと煽れば大丈夫だから、自分の意思で向かう様に仕向けてね』と言われてたのだ。
まさか本当にマリーちゃんが“著作権”と言ってくるとは……
私もアイリも慌てて平静を装い、努めて冷静に会話を続ける。
「そんな事言っても著作権法? ……なんて聞いた事無いし、私達が何か言っても如何にもならないわよ」
「ふん、馬鹿ねピエッサちゃんは!」
確かに賢くは無いが、馬鹿と言われるのは腹が立つ。
「私達のスポンサーが如何な人物か思い出してよ。宰相閣下よ、宰相閣下! 無いのなら法を作らせれば良いのよ」
忘れてなんかいないわ。思い出したくないだけよ。
「ほ〜っほっほっほっ! パンが無いのならケーキを食べればいい、法が無いのなら法を作ればいい! 簡単な事なのよ。さぁ善は急げと言いますし、早速権力者の下に行きますわよ二人とも!」
何で私達まで行かなきゃならないのよ!?
でも事前に陛下から『ウルフにお強請りに行く事を思い付くも、直ぐに僕にまで話が広がる事くらいまでは予測できるから、日和って君等を巻き込もうと連れて行くと予想される。渋々付いて行ってあげてね』と言われていた。
「何で私が行かなきゃならないのよ!? 宰相閣下になんか会いたくないのに……」
「アンタ私の曲を盗んで金儲けしてんでしょ! 生きた証拠品としてウルフの説得に協力しなさいよ!」
本当にこの二人は今日が初対面よね? 何でこんなに喧嘩できるの?
「アイリ……こうなると手が付けられないから、兎も角行ってあげましょ」
「なによ。ただの我が儘なガキじゃない」
「う、うるせー……黙って付いてこい」
おかしいなぁ……アイリにはマリーちゃんがお姫様だという事は知られているんだけどなぁ。
何で気にしないのかしら?
(グランバニア城:宰相執務室)
マリーちゃんに先導されて宰相閣下の机の前までやって来た。
部屋に入ってきた時点で私達の事は気付いていただろうが、気にもせずに手元のファイルを見詰めている。
まぁ仕事は出来る男だからなぁ……
「ねぇねぇウルフぅ〜……ちょっと聞いてよぉ〜」
目上(私からしたら年下だけど)の者が仕事中であれば、相手の反応を待ってから会話を始めるべきなのだろうけど、マリーちゃ
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