暁 〜小説投稿サイト〜
リュカ伝の外伝
大親友
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は良いからねぇ」
「ま、まさか……」

「僕の義娘(むすめ)が孫娘と一緒に温泉に浸かっていたらね、最近何かと話題に絶えないネル家の四男が現れて、子爵家の者である事を告げてマウントを取り、赤子を抱く女性に裸で迫って、拒絶されると逆ギレして襲いかかったんだ。幸いな事に義娘(むすめ)も孫娘も無事だったから良いんだけど……何度も言うけど、コレって昨日の事なんだ。その四男(あほ)何時(いつ)頃勘当されたのかなぁ?」
まさか『つい数分前』とか言わないよな?

「知ってる? 僕の奥さんの父親の実家は『山奥の村』と言って“サラボナ領”なんだよ」
王家の人間が知らないワケが無い。
ここで嘘でも『知らん』とか言ったら、流石に国交を断絶せざるを得ない。

先刻(さっき)の話をぶり返して申し訳ないけども、“ポピーが口説かれた”事や“フレアさんが襲われた”事も“ビアンカがナンパされた”事だって、全部ラインハット内での出来事だ。まぁ僕としてはムカつくけど、それこそ個人的問題として解決できる。うん、解決は出来るよね? でもさぁ……今度ばかりはさぁ……グランバニアでも無いラインハットでも無い外国だよぉ。しかも昨日。放置してないって言うけどさぁ……」

ラインハット王家の連中の顔を見ると血の気が無くなり青紫だ。
だよね〜……サラボナまで巻き込んじゃってるもんね〜(笑)
でも本当は大丈夫なんだよ。

昨晩報告を受けて直ぐに俺も手は打ったし、夜が明けて直ぐに自らハゲマン(ルドマン)のとこに行って、話は付けてきたからね。
まぁ『可愛い義娘(むすめ)を……』とか言って激怒して見せて、『この件は俺が直接解決するから手を出すんじゃねーぞ!』って脅したんだけどね。

とは言え機転が利くハゲマン(ルドマン)とアンディーが、俺の去り際に当人である四男(ドン)の捜索隊を出していたから、最悪身柄の確保は出来てるだろう。
だが俺の打った手の方が結果を出してるはずだ。
でもその事は此奴らに教えてやんない。

他人が不幸に陥るのが大好きな妊婦も、流石に喜べてない様子だ。
流産されたら本当に困るし、自室にでも戻って貰おう。
「ポピー……冬の冷気は妊婦には酷だ。僕も寒くて室内に入りたいから、お前は自室に戻りなさい。コリンズ、お前の嫁なんだ。労ってやれよ」

「「どの口が……」」
若い夫婦が声を揃えて呟いた。
俺は自分の口元を指差し笑顔で返答。

とは言え本当に体調が悪くなってるのか、フラフラと自室の方へと去って行く。
それを見計らい俺も室内へ……
マリアさんが温かいお茶を用意してくれてたんで、(いざな)われる前にありがたく頂いた。

「リュ、リュカ……何とか穏便に解決は出来ないものかな?」
「分かってる。義娘(むすめ)の旦那
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