大親友
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は辛いね。暖かい室内に戻ると良い」
そう言い笑顔を浮かべ室内に戻る様に圧力を掛ける。
ポピーも解ったのだろう俺の方を気にしながらも旦那と共に室内の奥に引っ込んだ。
さぁ本番開始だな。
「この寒空は妊婦には酷だ……僕等は大人のつまらない井戸端会議をするだけだから、子供達は参加する必要は無いよね。話の内容は『ネル子爵』に関しての事だから」
「「「!?」」」
案の定というか、予想通りの反応をしてくれる嘘の吐けない大親友……と、その血筋。
自分達が不利になる事が判っている妊婦だけが、素知らぬ表情で俺の目を見ていた。
だからお前は省きたいんだよ。
「またあの四男が何かしでかしたのか!?」
“また”だと!?
「お義父様!」
この中で唯一聡いポピーが室内から義父の言葉に叱咤を飛ばす。
おやおやおやぁ〜? 俺は『四男』とは言ってないのに、勝手に新情報をくれたぞ。
これは余罪がありそうですなぁ。
俺は息子の嫁に襲いかかった事と、その話を聞いてビアンカが思い出し、以前一緒にアルカパに行った時にナンパされプックルに襲われた(襲わせた?)話題しか持って無かったのに。
「さぁて……国際問題に発展させない為に、僕等で事態の収拾をしようか(笑) さあさあ言うてみ。問題を起こした国の方から反省を込めて」
「わ、我が国は何も問題を起こしてはいない!」
「ではネル子爵家はラインハット王家とは無関係と捉えて宜しいのですな? 僕はグランバニア王家として公式に件の貴族を弾劾してもラインハット王家は何もしてこないよな?」
「そ、そういう訳には……」
そりゃそうだ。
ウルフの情報ではネル子爵家はラインハット王家にとって重要な貴族らしい。
他国に因縁付けられて無視する訳にはいかないだろう。
「僕は別にラインハットの貴族を弾劾したい訳じゃないんだよ。僕たち大親友だろ? 一緒に平和的解決方法を見つけ出そうよ(笑)」
「ム、ムカつく笑顔しやがって……」
イヤン、ショックぅ(笑)
「ネル家の四男のドン・ファン・ネルは……選りに選って我が国の王太子妃の懐妊祝賀パーティーで、その主役をナンパしたんだよ」
「あはははは、ウケるぅ〜。美人なのも考え物だな。父親として娘に謝りたいよ(笑)」
「……………」
「で?」
黙りをキメてんじゃねーぞ。
「『で?』とは?」
「おいおい……それはラインハット国内だけの問題だろ。僕の娘であっても、嫁いでしまった以上、僕には無関係だ。お前先刻『また』っつたろ! 持ってる情報は今の内に出し切らないと、後で発覚した時に大問題にされるぞ……特に僕やウルフから(笑)」
「………ぐっ!」
大親友君は悔しそうに唇を噛みしめ、室内へと
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