夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第5話
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慢さと狡猾さは、出会った当初からホークアイザーには見抜かれていたのである。
その斉藤からの指図を当然のように拒むホークアイザーだが、当の斉藤は聞く耳を持たない。真凛に軽々と罠を突破されたことでプライドを傷付けられたのか、彼は冷静さを欠いて声を荒げていた。捜査官でもなくなった流浪の女探偵1人に出し抜かれた屈辱は、かなりのモノであったらしい。
「……ならばアイアンザック中将にそう伝えるんだな。確かにお前には少なくない借りがあるが、あくまで出資者であって上官ではない。直接指図される謂れはない」
『出来ればやっている! 彼とは現在、通信が繋がらんのだ……! 何が起きているのかは分からんが、とにかくさっさとあの女を消せ! そのスーツに幾ら出してやったと思っているんだ!?』
「……」
通信越しに喚き散らす斉藤の声に、ホークアイザーはこめかみに青筋を立てる。言いたい放題に言わせつつも、決して従う姿勢を見せないホークアイザーは、再びタキオンに狙撃銃の狙いを定めようとしていた。ライダー達との決着を優先している彼にとって、上官でもない一科学者の戯言など、ノイズでしかないのである。
「いちいちお前に言われずとも、こいつらを始末したらすぐに追う。それと……」
『なんだ!?』
「……一度くらい、口より先に手を動かせ……!」
やがて、静かな怒気を込めた呟きと共に。ホークアイザーは斉藤との通信を一方的に切断し、無益な会話を終わらせてしまう。無様に喚いて他人の行動に口を挟む前に、己に出来るベストを尽くせ。そんなホークアイザーの憤怒が、短い一言に顕れていた。そしてタキオンの頭部目掛けて、ホークアイザーは今後こそとどめの1発を撃ち放とうと、引き金に指を掛ける。
「させるかぁあぁッ!」
「……なにッ!?」
だが、その直前。ホークアイザーの眼前を遮るように、エネルギー弾の嵐が襲い掛かって来た。タキオンの後に続くように直進して来ていたターボが、ホークアイザーの近くにまで接近していたのだ。
ライダー達にとっての「切り札」なのだと思っていたタキオンは、ターボを突入させるための「囮」だったのである。
(仮面ライダーターボだと……!? 奴め、あれほど動じていたのに……G-verYの救助より俺の排除を優先するとはッ!)
唯一、自分の予測から外れた動きを見せたターボの登場に、ホークアイザーは意表を突かれ瞠目する。そんな彼目掛けて真っ直ぐに突撃しながら、ターボはシャフトブレイカーのエネルギー弾を連射していた。
(……だが、詰めが甘いな。確かにかなり近付かれてしまったようだが……まだ奴との距離は約300mもある! タキオンの窮地に焦るあまり、俺を牽制しようとエネルギー銃を撃ち始めたのだろうが……その銃の有効射程距離では、正
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