夜戦編 蒼き女豹と仮面の狙撃手 第4話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
凶悪な人造巨大虫、フェイリアγ。その巣窟と化した要塞内部の倉庫に誘導された真凛は、かつてない窮地に陥っていた。
「……来た道から出るのは難しそうね」
真凛がこの倉庫に入る際に通った出入り口の辺りには、すでに無数の虫達が徘徊している。来た道を戻って逃げるのは難しいだろう。別のルートからこの倉庫を脱出しなければならない。
「……っ!?」
――そんな考えを巡らせる真凛の虚を突くように。彼女の背後から1匹のフェイリアγが飛び掛かって来た。その気配を悟った真凛は反射的に振り返り、拳銃を構えようとする。だが、フェイリアγの前脚の方が僅かに速かった。
「あうぅっ!?」
凶悪な巨大虫は4本の前脚で、真凛の身体を真正面から捕えて行く。予測を凌ぐ速さでくびれた腰と細い両腕を掴まれた真凛は瞠目し、そのまま為す術なく仰向けに組み敷かれてしまった。
「あんっ……!」
押し倒された弾みで、張りのある爆乳と爆尻がぶるんっと揺れる。背負っていたサラマンダーのカスタムパーツで背中を押し上げられていた彼女は、仰向けのまま優美な背中を仰け反らせ、豊満な乳房を自ら突き出すような格好になっていた。
(……っ! 不味い、こんな雑魚にこの私がっ……!)
不意を突かれた真凛は必死に身を捩って抵抗するが、フェイリアγの腕力は常人のそれを遥かに超えている。いくら失敗作と言えども、改造人間の実験体には違いない。
「んっ、んんっ……! 離しな、さいっ……!」
真凛がどれほど腰をくねらせ、乳房を左右にぶるんぶるんと揺らしてもがいても、彼女の腰と両腕を押さえ込んでいる虫の前脚はビクともしなかった。そして、ついに捕えた極上の獲物を味わおうとするかのように――フェイリアγはゆっくりと、針状の口を真凛の胸元に向ける。
「あ、ぁあぁっ……!」
これまで、あらゆる窮地を華麗に乗り切って来た真凛の表情にも――焦りと恐怖の感情が滲み出ていた。
そんな彼女を嘲笑うように、フェイリアγは勢いよく真凛の胸元を針で貫こうと、前脚を伸ばして身体を大きく浮き上がらせて行く。これでとどめを刺してやると、言わんばかりに。
「……!」
真凛の胸元目掛けて針状の口を突き入れるべく、大きく身体を浮かせて勢いを付けようとするフェイリアγ。しかしその「予備動作」が、彼にとっての「命取り」となっていた。見開かれていた真凛の双眸が、獲物を見付けた狩人のように鋭く細まって行く。
(脱出するには今しかない……!)
身体を浮かせたことによって、真凛と虫の身体の間に一瞬生まれた大きな隙間。そのスペースに折り曲げた膝を滑り込ませた真凛は、そこから一気に白い美脚をピンと伸ばし、フェイリアγの胴体に強烈な前蹴りを叩き込む。
「……退き
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ