戦略と経験値
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
が、スカイシーさんの表情は笑っているように見えました。ただそれはあまりにも不気味で、何を考えているのかわからなくなってしまうほどに。
第三者side
ジュビアに背負われて闘技場を後にするシリル。その姿を見届けた男はその身体能力を使い、高い壁を飛び越え仲間たちの待つ待機場所へと戻ってきていた。
「お疲れ様」
「やっぱり安定ね、あんたは」
そんな彼を温かく迎え入れる三人。だが、それに応えることなく男は通りすぎると、後ろの壁へともたれ掛かるように背をつけ、そのまま座り込む。
「仕留め損なった」
「「え?」」
彼が言いたいことがわからず顔を見合わせた後、その場から担ぎ出される少年の方を見る女性二人。確かに気を失ってはいるが、その様子から彼が自分たちの狙っていた状態になっていないことを察するのに時間はかからなかった。
「様子見しすぎたんじゃない?」
「かもな」
「私はその方がいい。これで明日、私があいつを倒せばいいだけだからな」
「ふふっ。そうね」
本来の役割を果たすことができなかった彼を誰一人として責め立てることはない。むしろこの結果の方がありがたいとばかりに二人の女性は笑みを浮かべている。
一方、戦いを終えた男は自身の手についた血液をなおも見つめ、一つ息をつく。
「やはりお前は強くなれるな」
そう言った彼の表情は嬉しそうにも見えたが、どこか悲しげなようにも見える。彼は戦った少年と彼の姿を見守っている金髪の少年をチラリと見た後、その場を離れるために立ち上がる。
「その姿を見れるかは、わからんがな」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ