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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
戦略と経験値
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が付いた。だが、すでに自身の身体は彼の攻撃へと自然と流れており、衝突は免れない。

完全にしてやられた男はあとは自身の身体に彼の蹴りが入るのを待つしかなかった。そのはずだった。だが、彼の培ってきた経験と技術はその絶対に不可能だと思われた反応を無意識に成し遂げていた。

ゴッ

響き渡る鈍い音。会場全体にそれが響き渡ると同時に、一人の身体が地面へと自然落下する。

「はにゃ〜・・・」

顎を捉えられたことにより脳震盪を起こしているのか完全に目を回している水の竜。それを見下ろしている男は首もとからわずかに流れる血を拭うと、嬉しそうに笑みを溢していた。
















ウェンディside

『しょ・・・勝負あり勝負あり!!』
「えぇ!?」

地面に倒れ込んで動けなくなっているシリル。それを見ていた私は思わずそんな声が漏れ出てしまいました。

「え?何が起きたんですか?」
「いや・・・なんて言えばいいのかな?」

わずか数秒の中に様々な出来事が凝縮されていたことで困惑している私たちは全員が顔を見合わせ首を傾げています。それは会場にいた皆さんも同様で、何がなんだかわからず微妙な雰囲気が流れています。

『これは・・・どういう展開だったんでしょうか?ヤジマさん』
『うむ・・・』

実況のチャパティさんはもちろん、解説のヤジマさんもこの戦いがどのようなものだったのか、説明に困っている様子です。ただ、そんな中この人だけは全てを理解しているようでした。

『狙いはよかったんだけどなぁ、シリルも』

ゲストとしてやってきていたカミューニさんです。彼は何やらシリルのあの謎の行動の意味を理解していたようで、そのようなことを言い放ちます。

『狙いとは?カミューニさん』
『スタートからシリルは駆け引きを仕掛けてたんだ。まずはあの明らかな前傾姿勢。あれをすることでシリルは自分が何かしらの策略を持っていて、そしてそれを仕掛けるために相手よりも速く動きたいと言う意思をわざと見せたんだ』

試合開始前からどよめきが起こる程前のめりになっていたシリル。確かに彼のその姿を見て、スカイシーさんも攻めの姿勢から受け身の姿勢に変わっていました。

『スカイスー(シー)くんをあそこに留めるためにあの姿勢を取っていたというわけだね?』
『そ。次にあの猫だまし。あれもあれで意味がある』

敵に防御姿勢を取られたことで咄嗟に不意を突ける選択をしたかに思えたあの行動も、実際には違ったらしい。言われてみると、そのあとのシリルの切り返しは前もって準備していたと言いたくなるほど鮮やかで、そして滑らかなコンビネーションでした。

『あの猫だましがなければ、相手の体勢は崩せない』
『で
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