戦略と経験値
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レオンside
闘技場の中央部で向き合う二人。一方は小柄ながら周囲にいるものにもわかるほどはっきりとした高い魔力を有し、一方は背丈こそ高いもののまるで魔力を感じず・・・にも関わらずそれを感じさせないほどの強い殺気を纏っている。
「どうなると思う?レオン」
隣にいた少女は不安そうな声で問いかけてくる。それも無理はない、なぜならここまで狩猟豹の頭に関わった6人全員がこの場に姿を現しておらず、医務室に籠っているのがわかっているからだ。ただ、一夜は恐らく念のための治療も兼ねているのだろうから、一概に全員が戦闘不能状態とは言い切れないが。
「普通に戦えばシリルに勝ち目はないだろうね」
「やっぱりそうだよね」
昨日の戦いぶりを見る限りスカイシーの正体はあいつで間違いない。そしてあいつは一切のブランクも感じさせないほどの力を保有したまま、昨日は妖精の尻尾・・・いや、フィオーレでも指折りの魔導士である二人を難なく倒したのだ。シリルも相当強くなっているしいいものを持っているが、とても勝てるビジョンが思い付かない。
「ただ、可能性がないわけではないのかもしれないな」
「え?」
「どういうことですか?」
横から顔を覗かせたサクラが困惑しているシェリアに変わって問いかけてくる。俺もあくまで憶測なため自信はないが、自分なりの考えを答えた。
「シリルは選手選出の時間が始まったらノータイムで出てきた。これは何かしら勝算がなければできないはず」
「言われてみれば・・・」
しかもシリルは相手の出方を見る間もなく出てきた。端から見ればこの短い試合時間の中で勝利を掴むためにお互いにもっとも力のある魔導士を出してきたと思われる。だが、見方によってはシリルが出てきたことにより、開会式から絡んでいたあいつが引きずり出されたとも見ることができる。
(ただ、それでもシリルが勝てるとは到底思えないけど・・・)
何かあるとは思うけど、どうやってもシリルが勝てるビジョンが見えてこない。ただ、それにも関わらず余裕の笑みを見せている少年の姿が妙に気になり、目を離せなくなっていた。
ソフィアside
「う〜ん・・・」
自信満々な様子のシリル。ただ、あの子の勝利を期待している人は少ないんじゃないかなと思う。
「どう?カグラ」
「う〜ん・・・どう考えてもスカイシーの優勢だと思うんだが・・・」
「やっぱりそうだよね」
昨日のスカイシーの戦いぶりを見る限りシリルでは・・・ううん、恐らくこの大会に出ている魔導士で勝てる人はいないんじゃないかと思う。そのぐらいあの人は圧倒的で、格の違いを見せ付けられる。
「でもどこか
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