エピローグ
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『……驚いたね』
断崖の上。
打ち滅ぼされたアマダムを見下ろしながら、キュゥべえは呟いた。
『まさか本当に、アマダムを倒されるなんてね』
『しかも、何だあの参加者の数!?』
キュゥべえの隣では、コエムシも声を荒げている。
『アレ、全体の何割ぐらいだよ? あんなに結託されちゃ、聖杯戦争も成り立たねえぜ!』
『生き残りをかけた戦いであれば、結託するのも自然じゃないかな? 生物が生存競争のために群れるものだよ?』
そう言いながら、キュゥべえはじっとウィザードを見下ろす。
『……』
『おや? キュゥべえ君、ウィザードをじっと見つめてどうしたの?』
その赤い目を見上げながら、モノクマが大きな笑みを浮かべる。
『そんなに見つめちゃって、お熱いねえ。恋かな?』
『キュゥべえ先輩!?』
モノクマとコエムシの言葉があっても、キュゥべえは視線を動かさなかった。
『おいおい、先輩。どうしたんだよ?』
『……別に。行くよ。ここの拠点は破棄しよう』
「うっ……」
「おお、あぶねえっ!」
倒れかけたハルトを、真司が支えた。
「お疲れ。ハルト」
「うん。今回は、本当に疲れた……」
ハルトは苦笑する。
真司はにっこりと笑みながら、ハルトの頬をぐりぐりと拳で押し当てる。
「ああ。マジでな。お前、すっげえボロボロじゃねえか」
「そりゃそうでしょ。昨日からずっと外だよ」
真司から離れたハルトは、自らの体を見下ろした。
「あ、そういえば俺、昨日も今日もシフトじゃん……やばい、言い訳どうしよう……」
「ハルトさん!」
ハルトがそれを言い終えるよりも先に、体に茶色が飛び込んでくる。頭突きに近いタックルをした可奈美が、ハルトに再び抱き着いてきたのだ。
「もう……もう……! 一人じゃないよ! 寂しくないよ!」
「分かってる……分かってるよ!」
「本当に? 本当に分かったの!?」
「だから、分かったから! もう皆から逃げ出したりしないよ! もう……自分からも……」
可奈美を落ち着かせたハルトは、協力してくれた者たちを見渡す。
「本当に……皆、ありがとう……!」
コウスケはサムズアップをし。
響は安堵の息を吐き。
友奈は手を振っている。
えりかも合わせて駆け寄ってきており、大なり小なりハルトへ笑顔を向けていた。
「ハルトさん」
ハルトから離れた可奈美が、改めて言う。
「何度でも言うよ。ハルトさんは、一人じゃない。ハルトさんの重荷も、運命も。とっても重そう。重そうだから……私……ううん、私達に、半分持たせて」
ハルトが仲間たちに囲まれて騒いでいるのを眺めながら、士はほほ笑む
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