第二章
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「けれどね」
「大変だったんだ」
「食べるものも碌になくて」
「給食があるなら」
「それでね」
幾らまずくてもというのだ。
「食べられるだけね」
「よかったんだ」
「それで食べられて」
実際にというのだ。
「本当にね」
「そうだったんだ」
「そうだよ」
孫に優しい声で話した。
「給食ってあるだけで」
「いいんだ」
「そうしたものなんだよ」
「じゃあ」
孫はここまで話を聞いて言った。
「僕いつも美味しい給食食べてるけれど」
「カレーとかだね」
「カレーにハンバーグに焼きそばに」
そういった好きな食べものを挙げていった。
「色々あるよ」
「色々食べられて嬉しいんだね」
「凄くね」
純粋な笑顔での返事だった。
「毎日」
「それは何よりよ。食べられることはそれ自体が幸せで」
祖母はあらためて話した。
「栄養があってね」
「それで美味しいなら」
「最高なんだよ」
「そうなんだね、じゃあこれからも」
「給食食べてね」
「そうしていくね」
祖母に笑顔で答えた、そしてだった。
富之は次の日学校で昼に給食を食べた、その時の給食はコッペパンに野菜炒めに鶏の照り焼きに林檎に牛乳だったが。
牛乳を飲んでだ、彼は言った。
「牛乳美味しいね」
「そうだよね」
「今日も美味しいね」
「パンも柔らかくて甘くて」
それでというのだ。
「野菜炒めも鶏肉も美味しいし」
「どれも美味しいね」
「今日もそうだね」
「しかも栄養もあるから最高だよ」
林檎も見ながら言った、そうして食べてすくすくと育っていったのだった。
給食の栄養 完
2023・9・22
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