第一部
第四章 いつだって、道はある。
ガイとリー
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を見せて笑うガイに、ふ、とリーも口元を緩めた。
ネジとテンテンにリーのことを聞かされ、ガイは真っ先に病室に飛んでいったが、彼の姿は無かった。そして彼がどこにいるだろうと考えて、思い浮かんだのがこの場所だったのだ。フォーマンセルを結成した当時、みんなで集まった場所。
将来の夢についての質問に、「答えたくない」だとか、「体術しかなくても立派な忍者になる」とか、「綱手様のような忍びになりたい」だとか、三者三様の答えをもらった場所であり、三班の始まりの場所でもある。ネジがリーの夢を馬鹿にしたことも、それに対して自分が、熱血と努力があればそうとは限らないと言い返したことも、何もかもまるで昨日のことのように鮮明に思い出せる。
「始めて下忍になった時……ここで僕の夢、全てを誓いました。――あの時、ネジに笑われましたが、僕は本気でした」
その時、ガイが言ってくれた。ライバルと競い合い高めあい青春すれば、きっと証明できると。そして、それには努力が必要だと。
アカデミー時代、そんなことを言ってくれる友達や先生はいなかったから、ガイのその言葉はとても嬉しかったし、心も少し、軽くなった。
「何をしていいのかわからなかった僕に、道が開けました」
証明したいなどと言いながら、具体的にどんなことをすれば証明できるのかについてはよくわからなかったけれど、ガイのその言葉によって、どのようなことをしたらいいのだろうかが、少しずつ浮き上がってきたような気がしたのだ。
ひたすら、ただひたすら努力して。ネジを追い越そうとなんども彼に勝負を挑んだ。それでも彼には勝てず、努力だけじゃ天才には勝てないと泣き言を零したリーに、ガイが言ってくれた言葉。
お前は努力の天才だと、その言葉。
その言葉によって知った気がするのだ。自分の力を信じる大切さを。過信は禁物であるが、それでも自分に自信を持てない奴が、本当に強くなれるわけがない。
綱手の言葉が思い出される。涙がぽたりぽたりと滴った。この夢を、自分の忍道を、叶えるためにずっとずっと、自分を信じて努力してきた。
「でも、今回ばかりは努力してみても、自分を信じてみても、どうにかなりそうにありません……!!」
涙を流しながら、リーは叫んだ。
「ガイ先生、教えてください! どうして僕だけがこんなことになるんです?」
――なんで……? なんでリーなの? どうして誰よりも忍びになろうと頑張ってたリーがこんな目に合わなきゃならないの? 体術しかなくても立派な忍者になるって、誰よりも頑張ってたのはリーなのに……!――
ネジとテンテンからリーのことを聞かされ、何かの間違いではないかと綱手に問い詰めた時に、綱手はテンテンの言ったその言葉をガイに言い、そして彼女自身も辛そうな顔をした。
テンテ
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