第二章
[8]前話
「あれですか」
「あれ?」
「あそこにいますよ」
小野に今自分達が歩いている夜の歩道の横の車道を指差した、すると。
そこに五十CCに乗った派手な外見の女の子達がいた、それぞれ走っている。
「あれですか」
「何か迫力ないですね」
「昔と違いますからね」
広島もというのだ。
「名物ヤクザ屋さんだった頃と」
「映画にもなった」
「ですから」
それでというのだ。
「もうです」
「暴走族やレディースもですか」
「こうした風です」
「大人しいですね」
「ええ、喧嘩とかしませんし」
「漫画みたいに」
「あの漫画ですね、広島が舞台の暴走族の作品」
この人も知っていた。
「シリーズ化してる」
「ええ、今も」
「あの作品面白いですけれど極端ですから」
「人を殺したり」
「はい、実際はです」
現実はというのだ。
「最初からあそこまでじゃなくて」
「広島でも」
「それで今はです」
「あんな風ですね」
「レディースはいても」
「何人かで五十CCで走る位ですか」
「それでコンビニで何か買って家に帰って飲み食いですよ」
それに興じるというのだ。
「それで終わりです」
「広島でもそうですね」
「はい、今は」
こう小野に言うのだった、小野は走り去っていく少女達を見ながらその話を聞いて今はこんんあものかと思った、そしてだった。
名張に帰って後輩にこのことを話すと彼はこんなことを言った。
「考えてみたら真夜中に騒音出したり暴れたり」
「迷惑だよな」
「大人しいに越したことないですね」
「非行してもな」
「もうその言葉も古いですよね」
「それもそうだな」
「ええ、まあ広島もそうですか」
後輩はこうも言った。
「もうそうした時代じゃないんですね」
「暴走族とかレディースとかな」
小野もそれはと返した、そして後は広島自体の話になった。仕事に街並みそれに食べものや飲みものの話はレディースのそれよりも遥かに弾んだ。
今時レディース 完
2023・9・18
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