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リュカ伝の外伝
恋バナ聞かせて
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「そ、それに今回の飲み会だって、その先輩が部下の新人君(♂)が可愛くて気になるから、もっと二人きりになれる任務を寄こせって……気の弱い後輩上司に圧力を掛けにきただけなんだから」
「自ら“気が弱い”とか言わないの。 ……ってか、その先輩の恋バナを、もっと詳しく聞きたいわね」

「こ、恋バナじゃないよ。クエンティーナ先輩が一方的に思いを寄せてるだけだよ」
「先輩の名前はクエンティーナさんって言うのね。可愛い新人君の名前は?」
「あ、圧が……圧が凄い」
「言いなさいよぉ、可愛い男の子の名前は!?」

「あ、あの……“ジャスティン・ハドソン”16歳になったばかりの二等兵。因みに先輩は“クエンティーナ・マサイス”30歳の軍曹だ」
「うわぁ〜、年の差14歳!? やるわね先輩。 ……で、如何すんの?」

「何が?」
「何かじゃないでしょ! お世話になった先輩からのたっての頼み事よ。ジャスティン君と二人きりの任務を与えるの?」

「そんな職権乱用は出来る訳ないだろ! 仕事にもプライベートにも、まだまだ前途がある若者を苦しめる事は出来ないよ!」
「何よ! 先輩と結ばれる事が苦しいとは限らないでしょ!」

「だとしても、僕が権力を使って何かをしちゃダメだろ。自然もしくは先輩の努力だけで二人の心が結ばれるのなら、それは問題無いけど……」
「そ、それは……そうかもだけども……」

「自分に置き換えて考えてよ。宰相閣下がピエ(ピエッサ)ちゃんを気に入っちゃって、自身の権力を使って四六時中二人きりで居る状態にされたら……如何思う?」
「最悪!」

「ほらぁ」
「ぐっ!」
他人の恋バナという事でついつい深入りしてしまった私に、的確な例えで指摘するレッ君。
悔しいけど完全に先刻(さっき)の私は行き過ぎだったわ。

「じゃぁ何もしないのね?」
「何もしないよ。新人君とプライベートで仲良くなりたいのなら、地位や権力を使わずに努力してほしい。無理だと思うけど」

「何で無理とか言うのよ! 先輩が美人じゃないから?」
「そうじゃないよ。美的感覚や恋愛の価値観は人それぞれだから先輩の“外見が好み”って人は居ると思う……多分居ると思う。でも圧倒的に少数だと思う。でも新人君は凄く美少年だから、彼を狙う者は男女関係なく多いと断言できる。自分より出世した後輩を呼び出して酒飲んで管を巻いてないで行動に移すべきなんだ。でも……」

「そ、それは……先輩さんが乙女だから仕方ないでしょ!」
「でも恋愛は基本的に早い者勝ちだよ。中には後出しで勝利していく人も居るちゃ居るけど……僕もピエ(ピエッサ)ちゃんと出会う前は、気になる女の子に声を掛けたくても恥ずかしくて行動できないでいたら、どんどんその女の子達は僕とは違うイケメンと結ばれていっ
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