暁 〜小説投稿サイト〜
リュカ伝の外伝
心と身体を温める温泉
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勿論ティミーもお義父様には知らせたくないと言ったのだが……
『知らせねーワケにいかねーだろ!』
と一喝された。

お義父様もMH(マジックフォン)に出てくるという事で、アミーの傍に居たくなかった私達はリビングへと移動する。
お義祖父様は熟睡している様で、起きてくる気配は無いが、それでも声は潜めて話す。

宰相閣下も移動した様で背後を見ると謁見の間だと思われる。
そこに登場するは国王陛下。
こちらは先程までナニをしていたかは悟らせない。

私とティミーは今夜の出来事を報告する。
その後で宰相閣下がネル子爵家について説明。
如何(どう)やら私をナンパしたドン・ファン・ネルは、子爵家の四男……末弟だそうだ。

全てを聞き終えたお義父様は、何時もの爽やかな笑顔を見せて、
『何もしなくていいよ(笑)』と仰った。
いいわけないでしょ!?

『其奴が雪山で凍死したら、それはそれで構わない。後の事は全部、僕が処理するよ。村の方々には奴の正体は教えなくていい。知ってしまったのなら、それはそれで構わないけど、ワザワザ教える必要は無い。知らない方が幸せな事ってあるからね(笑)』

そう言いながらお義父様はケラケラと笑いながらMH(マジックフォン)の撮影範囲から出て行ってしまった。
そんな国王陛下のお言葉を聞いた宰相閣下は少しだけ困惑したが、先程の不機嫌な表情が嘘の様に毒気が抜かれた声で『だってさ。下手に動くなって』と言う。

この二人がこう言うのなら、そうするのが一番良いのだろう。
MH(マジックフォン)を終了させて私もティミーもベッドに戻る。
本当に大丈夫なのか不安は残っているが、お義父様の言葉で気は楽になった。

なんせ頼りになる事は間違いないのだから。

アルルSIDE END




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