心と身体を温める温泉
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(サラボナ通商連合領:山奥の村)
アルルSIDE
グランバニアにも新年が訪れる。
当然だが世界各地も年が明けて新年と呼ばれる。
どの国の国民も、その年を労う為に年末休暇を取り、新たな年を祝う為に年始休暇を取得する。
大国グランバニア王家もその例に漏れない。
だが国民と違い完全に休業する訳にもいかず、王家の者は働き続ける。
公共機関も年末はギリギリまで稼働し、年の瀬で忙しい国民の手助けをしている。
しかも王家は新年の三元日も公務が入っており、元日はグランバニア城2階の北側テラスや城下の各地で集まった国民達に顔見せと挨拶をし、1月2日は国内の貴族等がグランバニア城へやって来ての新年会が催され、1月3日は国内外で活動する財界人等との新年会に明け暮れる。
その3日間が終わり、やっと静かに新年を迎えられるのだが、王家……特に現役国王と次期国王候補(第一王位継承者)が同時に公務から離れる事を避ける為、一週間程ずらしての年始休暇になるのだ。
当然先に休暇に入るのは現役国王陛下……つまりお義父様だ。
各大臣も半分が同期間に休暇入りする。
他国とは違い我がグランバニアは限られた者だけが所有するMHがあるため、有事の際は対応が出来る。
1月も半ばに差し掛かり、国王陛下が年始休暇から戻ってきたタイミングで、私の夫であるティムアル王太子殿下も年始休暇に突入する。
今年は私の希望でアミーに“露天風呂”を体験してもらいたく、お義母様の実家がある“山奥の村”で休暇を過ごす事になった。
最近でこそこの村は良質な温泉地として人気が出てきているけど、交通の便はあまり良くなく観光客はそれほど多いとは言えない。
とは言え国(サラボナ通商連合)からは維持の為の補助金は出てる(とある国の王様からの圧力で出させられてる)らしく、廃れて消える事はないそうだ。
私を含めグランバニア王国の者からして、この山奥の村は物理的距離が遠く、頻繁に訪れる事が出来る場所では無い。
だがそれも今後は変わるであろう……
ティミーの腹違いの妹であるリューナが、また新たなマジックアイテムを開発したのだ!
その名も『ルーラストーン』と言う。
名前の通りルーラという瞬間移動魔法が誰にでも簡単に使用できる様になるアイテムだ。
とは言え、現在はまだ試作段階であるらしい。
大きさも縦・横・奥行きが10cmくらいある立方体で、携帯するのには些か邪魔な物体だ。
この大きさのRS1つで、5人……抱っこできる赤ん坊が居るのなら7人くらいしかルーラが出来ず、人間の人数だけでギリギリだと荷物も運べない程度らしい。
試作段階の試験を兼ねた運用として今回RSを使用したけど、我が家の様に大人の夫婦と赤子が
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