10秒
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
う思っていたのに、ここで早々に闘技場へと降りてくる小さな魔導士が現れ、思わず口を大きく開けてしまった。
『フェアリーガールズからはシリル・アデナウアー!!狩猟豹の頭は10秒以内に参加者をーーー』
まるで事前に参加者を決めていたのではないかというほど早々に降りてきたシリル。選手選考のタイマーもほとんど起動していない上に第一試合、全くと言っていいほど戦い方を思考する間もなく参加を決めた彼に驚きを隠せなかったのに、さらにそれに拍車をかける事態が起きる。
『し・・・失礼しました!!狩猟豹の頭からはスカイシー!!両チーム参加者は中央のラインまで進んでください』
こちらも間髪入れずに降りてきたのは昨日妖精の尻尾の最強候補二人を一人で圧倒した男。示し合わせたかのような二人の早い登場に会場は沸き上がるというよりもどよめき、さらなる混乱の渦へと落とされているように感じた。
ウェンディside
「ちょ・・・ちょっとシリル!!」
選手選出時間に入るや否やすぐに闘技場へと飛び降りたシリル。彼のことを呼び止めようとしますが、彼は聞こえているはずの私の声に振り向くこともせず中央へと向かって歩を進めていきます。
「もう遅いよ、ウェンディ」
「カナさん」
なんとか彼を呼び戻そうとしている私ですが、それをカナさんに止められます。それはそうですけど、無策で挑んでは相手にならないんじゃ・・・
「あっちはまたあいつだよ」
「ラクサスとギルダーツでも歯が立たなかったのに、どうやって・・・」
狩猟豹の頭から出てきたのは昨日のバトルパートでも出てきたスカイシーさん。残り一回しかない参加資格を躊躇いなく使ってくるところを見ると、10秒のバトルといえど勝算を持っていると考えざるを得ません。
「せめて何か対策を考えておければよかったんだけど・・・」
「そんな時間もありませんでしたし・・・」
「いえ・・・もしかしたらシリルはもう考えるのかもしれません」
「「「「え?」」」」
敗戦濃厚かと思われた戦い。しかし、ジュビアさんは何かに気が付いたのか、そんなことを言い出しました。
「シリルは昨日、狩猟豹の頭と戦う機会があれば自分が出るといってましたよね?」
「そういえば・・・」
「確かに言ってたわね」
急に笑いだして自信満々にそんなことを言っていたのが記憶にある。もしそれがこの戦いで有効なら、もしかしたら・・・
シリルside
闘技場の真ん中に引かれている二つの線。それがこの戦い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ