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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
10秒
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手な・・・」

そこまで言いかけたが、彼女は口を急に閉じた。わかっていたからだ、自分ではその男に歯が立たないということが。

「お前はあのガキで我慢してろ」
「・・・ったく、わかったわよ」

何も言い返すことができずに顔を俯け不貞腐れている女性。ただ、その隣にいたロングヘアの女性は冷静だった。

「それは良いけど、あの子の相手はどうするの?」

彼女がアゴをくいっとして視線を向けさせたのは金髪の青年の方角。それを受けた男は何食わぬ顔で返して見せた。

「あいつが協力してくれるということになった。だから明日も予定変更になる」
「なるほど、二人がかりで行くわけね」

そう言って彼女は青年の方へと視線を向ける。それを受け青年は深いため息をついた。

「どうした?荷が重いか?」
「いや・・・」

明らかに気乗りしないといった表情を見せる青年に男は問いかけたが、彼はしばしの沈黙の後、顔を上げる。

「ここまで来たらやるしかない。あの二人も耐えてくれたしな」
「ふっ、ならいい」

これまでとは違う反応を見せた彼に笑みを浮かべる男。彼らは話し合いが終わるとそのまま困惑に包まれている会場へと視線を戻した。

















シリルside

「10秒って・・・」
「短すぎない?」

至るところから上がってくる困惑の声。ただ、実況席もそれは同様のようで、チャパティさんの声にいつもの張りがない。

『ルールは通常のバトルパートと同じく相手を戦闘不能にすれば勝利となります』

基本的なルールは変わらないのはわかってる。ただこれだと・・・

「引き分けになるのが目に見えてるよね?」
「そうね。普通に戦ったら10秒なんて・・・」
「よっぽどの力の差がないと無理よ」

カナさんたちの言う通り、引き分けで両チーム5ポイントになることが容易に想像できる。となるとここはそこまで重要な場面ではないのかと思っていたけど、そうは問屋が卸さない。

『そして本日の特別ルールとして、引き分けはありません!!相手を戦闘不能に双方ともにできなかった場合は敗戦扱いとし0ポイントとなります!!』

このルールが現れたことにより一気に状況が変わってしまう。引き分けが必然の制限時間で勝利を掴むための戦略を見つけなければならなくなってしまったのだ。それが出来なければもし仮にどこかのギルドが勝利をした場合、一気に独走を許す可能性すらある。

「つまりできるだけ強い人出すべき?」
「でもそれは相手も同じことを考えるよね?」
「一撃必殺がある方が有利ということでしょうか?」

無難な戦い方はあるが現状の俺たちにはそれをすることができない。反対に上位のチーム同士が当たった
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