暁 〜小説投稿サイト〜
ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第5話
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
地上側の被害ばかり気にして、キルバーンの危険性まで伝えておらんかったわ!)
「貴様は気付かんのか?俺の目の前にいる死神がどれ程危険なのかを」
しかし、さまようヨロイは意にかえさずに近況報告を行うのみであった。
「それどころではありません。オトギリ姫が、何者かに殺害されました」
「は?」
ハドラーちゃんにとっては別段驚く事ではなかった。寧ろ、目の前のキルバーンとピロロの方が何百倍も危険だとしか思えなかった。
「あー、おとぎりひめね。たしかぁー……んー……誰だっけ?」
さまようヨロイがコケそうになりながら説明する。
「地上の海に拠点を置いて独自の勢力を築こうとしている!」
そう説明されても、やはりピーンとこないハドラーちゃん。
「独自の勢力?後から来て俺の上前はねる気か?いい度胸じゃないか」
とは言ってみたものの、やはりハドラーちゃんはピーンとこない。
やはり1周目で超魔生物や親衛騎団ですら苦戦する程の強敵を沢山見てきた影響なのか、ハドラーちゃんはこの段階で既に脱落する侵略未遂者の怖さが判らなくなってきている様だ。
だが、さまようヨロイの次の言葉がこの場の空気を変えた。
「そんな暢気な事を言ってる場合ではありません!容疑者は、勇者アバンです!」
「何!?あのアバンがか?」
その途端、ピロロが悔しそうに舌打ちし、ハドラーちゃんがそれを聞き逃さなかった。
(ん?キルバーン達のあの舌打ちは……つまり、独断でこの俺を殺そうとしたのか?この俺の悪口が、本当はバーンの耳に届いていないと言うのか!?)
でも、バーンに黙殺されているかもしれないと言う不安をひた隠しにしながら気丈に振る舞うハドラーちゃん。
「ハハハハハ!あのひよっこ勇者がなぁ……」
ここで一旦、キルバーンとピロロを見るハドラーちゃん。
そして、自分が本当に黙殺されているのかを確認する意味を込めて言い放つ。
「これはこれは、俺は近々、サババに赴いてひと暴れする予定だから……そこでアバンに逢えるかが楽しみな所よ。アーハハハハハハ!」
ここでキルバーンの混乱を利用する為の駄目押しの一言が、
「そう言う訳だキルバーン。もう少し貴様の仮面の裏に溜まったおできの治療を手伝ってやりたいが」
「あーーーーー!?」
「残念ながら先客に急かされている様だ」
ピロロがハドラーちゃんの言い分を遮る様に叫ぶが、ハドラーちゃんは意に関せずに高笑いしながら地底魔城へと帰って往った。

ハドラーちゃんが去り、キルバーンがさまようヨロイ……を裏で操る者に訊ねた。
「良いのかい?このままハドラーを見逃して?」
「怖いのか?」
質問に質問で返されたキルバーンであったが、気にせず質問を続ける。
「あー怖いね。ハドラーは、せっかく手に入れたオリハルコン製の剣を、あのロン・ベルクに預けたんだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ