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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第5話
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ハドラーちゃんが地獄の爪(ヘルズクロー)だけでキルバーンと戦うと宣言したのは、確かにキルバーンの血で覇者の剣を汚したくないのとキルバーンがはまっている泥沼を利用したいと言う卑劣な下心も有るが、1番の理由は最後までバランの前で正々堂々をしてやる事が出来なかった事への罪悪感である。例え意図的であろうと不本意な物であろうと。
バランがバーンの誘いに乗ってハドラーの部下になった時はダイの正体が竜の騎士(ドラゴンのきし)である事を保身的な理由でひた隠しにし、バランがバーンを裏切ってダイと共に死の大地に乗り込んで来た時は、先程述べた通りのバランが理不尽な程不利過ぎる戦いに知らず知らずの内に陥れてしまった。
結局、バランはハドラーに対して1度も呪文を浴びせた事は無かった。ならば、ハドラーちゃんが呪文を一切使わずに地獄の爪(ヘルズクロー)だけでキルバーンを倒してもバチが当たらない筈だと。
対するキルバーンとピロロは、更に『強くてニューゲーム』の妙に完全に振り回されて不要な深読みに溺れた。
とある理由から、キルバーン相手に派手な呪文を使用するのは本当に禁忌だったのだ。
実際はその事をハドラーちゃんは知らない。だが、ハドラーちゃんが言い放った憶測のブラフがまさかの的中だった為、キルバーンとピロロは更に混乱してしまったのだ。
(そこまで知っているのか!?何て奴なんだ!?)

バランに対して正々堂々をしてやれなかった報いと言う清い罰とキルバーンが陥ってる混乱を悪用する邪な策、両極端な2つの理由によって地獄の爪(ヘルズクロー)のみでキルバーンと戦うハドラーちゃん。
「来い!キルバーン!」
一方のキルバーンとピロロも、これ以上ハドラーちゃんの口を開ける訳にはいかないと言う焦りからか、ファントムレイザーで早々にハドラーちゃんの頸を斬ろうとする。
「遠慮無く」
だが、そんな2人の戦いは、2人にとっては意外過ぎる声色によって阻まれた。
「お待ちください。ハドラー様」
この声色は、正にミストバーン。
まさかこの場で聞こうとは。そう思いハドラーちゃんもキルバーンも声のした方向を向く。特にハドラーちゃんは、1周目での魔族を辞めて超魔生物に成る途中からミストバーンに奇妙な思い入れがあった。
だがそれも、バーンが仕組んだ黒の核晶(コア)によって無効となったが。
で、実際にいたのはさまようヨロイであった。
ハドラーちゃんは、一呼吸おいて冷静になってから冷ややかに苦言を呈した。
「一介の下っ端が魔王の決闘に水を差すとは、事と次第によってはタダでは済まんぞ?」
それに対し、さまようヨロイが即座に反論する。
「その様な場所で道草を食ってる場合ではございません」
それを聞いたハドラーちゃんが少しだけ青くなった。
(しまったぁー!バーンの目論みとそれに伴う
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