正義
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で懸命に視界を保とうとしている大柄の男。彼は霞みつつある視界の中、自分のターンを今か今かと待ち構えていた。
(今は誰のターンだ?我に回ってくるまでどれくらいかかる)
中でゲームを進行しているプレイヤーは他のプレイヤーたちの状況がわからない。それは意図的にバトルを避けるようなことができないようにという意図があるが、自身のターンを待つ彼らにとっては大きな負担を与えていた。
(まもなくだと思うが・・・このままでは意識が途絶える・・・)
その中でも彼の受けているダメージは大きかった。ただ、彼は自身がまもなくゴールに辿り着けることはわかっていたこともあり、大きな焦りはない。
(二択を外したがこれでゴールはわかった。あとは我のターンがくれば・・・)
この状況から抜け出せる。そう考えていた大男だったが、ここで想定外の事態が起きる。
ガチャッ
「!!」
扉の開く音。それが今までにないほどに大きく響いたことでそちらを振り向くと、そこには見覚えのある顔があった。
「メェーン。ようやく会えたよ」
そこにいたのは青い天馬のエース、一夜だった。
『一夜選手!!グレイティス選手と遭遇です!!』
実力者であるグラシアンを倒したグレイティス。そしてここにいる観客たち全員がその実力を把握している一夜。この二人の戦いがゲーム終盤に見られることに今日一番の歓声を上げている。しかし、狩猟豹の頭の待機場で待つ面々は気が気じゃなかった。
「まずいわね」
「あぁ。この場面で遭遇するとは」
「強いのか?あいつ」
女性陣二人はグレイティスの見るからに不調な様子から心配しているようだが、長身の男・・・スカイシーは一夜のことをよくわかっていないのかそんな問いを後ろにいる人物へと投げ掛けていた。
「あぁ。性格はあれだが、実力に関しては申し分ない」
「ほぅ」
それを聞いてなぜか嬉しそうな表情を見せているスカイシーだが、その後ろから彼の横へと並んだ青年は顔こそ見えないものの、険しい表情をしているのは誰から見ても明らかだった。
「まずいな。ここで一夜と戦っては勝ち目がない」
「棄権でもする?」
「それはできん」
ショートヘアの女性の言葉にすぐさま返したのはスカイシー。ただ、その理由を他の面々もわかっているようで驚いた反応を見せるものはいなかった。
「ここで棄権すれば不正がバレる可能性があるからな。ここは負けてもいいから凌ぐことが優先だ」
「私はバレても困らないけど?」
「そりゃああんたには関係ないからね」
笑っているもの、タメ息をついているもの、それぞれが反応を見せる中、口数の少な
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