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カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
三月の戦闘 T
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 彼のセリフが、翔希には『もし逃げるなら、地の果てへでも追いかけて場所を考えないで勝負ふっかけるけどいいの?』と聴こえた。どういう意味だったのかは、ドニにしか分からないことだが。

「仕方がない・・・か。」

 翔希は、最近使えるようになった召喚の魔術を行使する。手に現れたのは、漆黒の長剣。鞘も、柄も、刀身までもが完全なる漆黒に包まれた神器。銘を”黒の剣”という。

 神々が創ったと言われる神器の中でも最高峰。”今月今夜”と並び称される、最高ランクの神造兵器。神すら斬り殺したその剣を、ドニへと向ける。

「・・・手加減は出来ないぞ。後で後悔するなよ。」

「後悔・・・?そんなのするわけないじゃないか!それほどの剣も見れた!更に君とも戦える!どこに後悔するような要素があるんだい!?」

 彼はそう叫ぶと、背負っていたゴルフバックに手を突っ込む。そこから出てきたのは、ただの長剣だ。手に入れるのは難しくない、裏の世界ならどこにでもあるようなただの長剣。そんな物を出して、一体何をしようというのだろうか?

 翔希は気を抜きそうになる自分を叱咤した。取り出したのがただのどこにでもあるような長剣だとしても、【剣の王】と呼ばれる人間がそれを出したのだから、必ず意味があるのだと。それを忘れれば、今すぐにでも殺されるという確信が彼にはあった。
 
「ここに誓おう。僕は、僕に斬れぬ物の存在を許さない。この剣は地上の全てを斬り裂き、断ち切る無敵の刃だと!」

 言霊が、迸った。

 その膨大な呪力は彼の持つ長剣に纏わりついていく。同時に、彼の腕が白銀の光を放ち始めた。

「そ、れが・・・!」

「コレが、僕が最初に手に入れた権能、【斬り裂く銀の腕(シルバーアーム・ザ・リッパー)】だよ。それが刃物なら、地上のどんな物質をも斬り裂く魔剣へと変質させることが出来る能力。・・・さぁ、次は君の番だ!一体どんな力を見せてくれるんだい!?」

 とてもワクワクしているドニ。それとは対照的に翔希はゲンナリする。彼自体は殺し合いは好きではないのだ。・・・しかし、それを言った所でこのカンピオーネが見逃してくれる訳がない。

「・・・よしっ!」

 腹をくくった。気合を入れ、彼も言霊を紡ぐ。

「我は全てを視る者。この世で我に視れぬ物は無く、何人たりとも我の視界から逃れる事は出来ない。我は、この世の全てを掌握する者なり!」

 視界が、変わる。

 世界が、変わる。

 彼の右目は、真紅に。左目は、深い蒼へと変化した。

「それが君の権能か・・・。どうやら、直接的な攻撃力のあるものじゃないみたいだね。となると、戦闘の補助的なものなのかな・・・。まぁ、試してみれば分かるか!」

 深夜の海で、二人の魔王の戦闘が始まっ
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