第三話 受け入れる器その五
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ここでだ。にゃてんしは二人に言ったのだった。
「いえ、蝙蝠ですよ」
「蝙蝠!?」
「今度は蝙蝠なのか」
「はい、蝙蝠です」
そのだ。蝙蝠だというのだ。
「蝙蝠の方々です」
「蝙蝠、吸血鬼には相応しいですね」
「まさに象徴だな」
五代と一条はにゃてんしからの話を聞いて話し合う。
「じゃあその蝙蝠達なら」
「吸血鬼の行方を知っているな」
「ならすぐにですね」
「その蝙蝠達の行方を探そう」
こう言うとだった。すぐにだった。
二匹の蝙蝠達が来た。どちらも頭と翼だけの姿だ。一匹の耳と足がピンク色でもう一匹のそれは黄色だ。その蝙蝠達が来てだ。
五代の両肩にそれぞれ止まりだ。服の上から吸いはじめた。
そしてだ。こう言うのだった。
「何か違うね」
「そうだね」
「普通の人間の血じゃないような」
「ちょっと味が違うね」
「しかもこの人あまり痛がらないし」
「おかしいね」
その彼等を見てだ。すぐにだ。
五代は血を吸われたままだ。にゃんぱいあに尋ねた。
「若しかしてこの蝙蝠達が?」
「はい、そうです」
まさにそうだとだ。にゃてんしも答える。
「その方々です」
「そうか、やっぱりね」
「あの、痛くないんですか?」
カツオを少しオドオドとした感じで五代に尋ねる。
「血を吸われて」
「まあこれ位だとね」
何でもないとだ。五代は返す。
「俺は別に何ともないから」
「そうなんですか」
「これまでの戦いで何度も死に掛けているしね」
「それと比べればですか」
「そう。何ともないよ」
こうカツオに答える五代だった。
「特にね。けれどだよ」
「けれど?」
「この蝙蝠達は知ってるんだよね」
まだ自分の血を吸っている蝙蝠達を横目で見ながらだ。五代はカツオに尋ねた。
「吸血鬼の居場所よ」
「そうみたいですね」
「なら話は早いよ」
それならというのだ。
「彼等に聞くから」
「ちょっと待ってね」
「吸い終わってからね」
蝙蝠達も応えてきた。
「お話していいかな」
「吸血鬼さんのことは」
「うん、いいよ」
五代もだ。気軽に返す。
「それじゃあそういうことでね」
「何かこうして気軽に血を吸わせてくれるし」
「お兄さんいい人だから気に入ったよ」
こうしただ。のどかな会話をしつつだ。蝙蝠達は五代の血を楽しんだ。にゃんぱいあも彼の足にかぶりついてだ。血を吸った。
それからだ。血を満腹になるまで吸った蝙蝠達はだ。五代と一条に言ってきた。
宙をぱたぱたと舞いながらだ。そのうえで話すのだった。
「まずは僕達の名前ね」
「それ言うね」
「そうだね。まずはお互いに名乗って」
「それからだな」
こう言葉を交えさせてだった。それぞれだった。
まずはピン
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