第二章
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「動画作成するわ」
「頑張ってね」
「じゃあ日曜特別に休み入れてもらって」
ジェーンの働いているハンバーガーショップは年中無休だ、シフトを組んでそのうえで休日を取っているのだ。
「それでね」
「そのうえで」
「ピエロさんにお会いして」
「お聞きするのね」
「どうして国旗を衣装に付けてるのか」
ピエロのそれにというのだ。
「お聞きするわ」
「次の動画ではね」
「ええ、特別にね」
こう話して実際にだった。
ジェーンは日曜にシフトで休みを入れてもらってだった。
ピエロはいつも出て来るロサンゼルスのとある公園に行ってだった。
様々な面白いパフォーマンスをして人々を楽しませている彼、赤や青のメイクに剽軽そうな白い帽子と衣装の上にだった。
何十ものワッペンの様な国旗を付けている彼のところに来て彼が休憩に入りドリンクを飲んでいる時に声をかけた。
「あの、私はです」
「何かな」
「こういう者ですが」
自分の動画チャンネルを見せて話した。
「実は今回の動画は貴方へのインタビューを考えていますが」
「そうなんだ」
初老の男の声だった、とても穏やかなそれであった。
「僕にだね、僕も有名になったのかな」
「今かなり話題ですよ」
ジェーンはピエロの男に話した。
「何しろ国旗がです」
「衣装に何十も付いているからだね」
「はい、実はです」
ジェーンは正直に答えた。
「そのことをお聞きしたくて」
「僕にだね」
「インタビューをしたいです」
「そうなんだね」
「はい、駄目でしょうか」
「いいよ」
穏やかな笑顔でだ、ピエロは答えた。
「隠すつもりはないしね」
「そうなのですか」
「はじめた時から聞かれたら」
その時はというのだ。
「もうね」
「答えてくれるおつもりでしたか」
「そうだよ、だからね」
「それで、ですか」
「今から答えるよ」
「有り難うございます、では」
ジェーンはピエロに笑顔で応えた、そうしてだった。
インタヴューをはじめた、すると。
彼はだ、穏やかな声で話した。
「国旗は国家なんだ」
「はい、それぞれの国を象徴していますね」
「勿論我が国もね」
自分達の国家アメリカもというのだ。
「その中にね」
「ありますね」
「そう、それでね」
「星条旗もですか」
「衣装に入れているけれど、どの国家もね」
ピエロはジェーンに話した、動画は二人が並んで向かい合って対話する状況で録画されている。その辺りはしっかりしている。
「地球の中にあるね」
「ではあの服は」
「そう、地球をね」
まさにそれをというのだ。
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