第三話 受け入れる器その一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第三話 受け入れる器
五代と一条はにゃんぱいあ、茶々丸の案内を受けてだ。彼等の世界を回った。そうしてだ。
まただ。変わった猫に会ったのだった。
右目に眼帯をし三日月の兜を被った白猫に会ったのだ。その猫を見てだ。
五代と一条はだ。それぞれ言うのだった。
「まさかこれは」
「そうだな。どう見てもな」
「戦国大名のあの」
「伊達政宗か」
「んっ、俺のことを知ってるのか?」
実際にだ。この猫、この猫もまた二本足で立っている。この猫が二人を見上げてだ。自分からこんなことを彼等に対して言って来たのだった。
「俺は独眼竜まさむにゃだ」
「やっぱりそうか」
「あの大名にちなんでいるのか」
「あの人は人間だが尊敬しているぜ」
自分でこう言うまさむにゃだった。
「凄い人だったよな」
「うん、確かに」
「そして君はか」
「あの人にちなんでこの格好をしているんだよ」
「まさむにゃはいい奴にゃ」
にゃんぱいあがにこりと笑って二人に話してきた。
「僕の友達にゃ」
「あ、ああ」
にゃんぱいあにそう言われてだ。まさむにゃは。
何処か恥ずかしそうな顔になってだ。こう言うのだった。
「そうだな。俺達は友達だにゃ」
「そうだにゃ。いつも仲良しだにゃ」
「成程。君達は友達なんだ」
「ではこの猫も」
「ああ、俺は吸血鬼じゃないからな」
二人が何を言うのか察してだ。まさむにゃから言ってきた。
「普通の猫だぜ」
「ううん、あまりそうは見えないけれど」
「そうなのか」
「そうだよ。何処がおかしいんだよ」
自分では自覚がないといった口調である。
「俺は別に血を吸わないしちゃんと飼い主もいるしな」
「君もそこはにゃんぱいあと同じなんだね」
「飼い猫だったのか」
「そうだよ」
こう答えるまさむにゃだった。
「立派な飼い主だぜ」
「そうですね。あの子もいい子ですね」
茶々丸もここで言う。
「僕達の飼い主の美咲ちゃんと同じで」
「美咲ちゃんは時々血を吸わせてくれるにゃ」
にゃんぱいあはここでもにこにことして話す。
「とても優しくていい御主人様だにゃ」
「やっぱりあの娘は」
「かなりの娘だな」
五代と一条は今の話からもだ。美咲の器をあらためて認識した。
そのうえでだ。彼等は。
まさむにゃにだ。さらに尋ねるのだった。
「君の他にもそうした猫はいるのかな」
「この辺りにいるか」
「いるっていったらいるな」
まさむにゃは急にだ。顔を曇らせてだ。
そのうえでだ。二人にこう話したのだった。
「けれど俺は好きにはなれないな」
「好きになれない」
「どういった猫なのだ」
「性格がな。悪いんだよ」
それでだ。好きにな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ