第1話 異世界転生一日目
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よいものを、相談もせずに独断で取ってくるのだ。『報・連・相』は営業部・社長の中だけの話なのかと叫びたくなった。
こういった問題を何とかしたくとも自分はそこまで偉い地位に就いているわけではなく、それを訴えても営業の連中は耳を貸さないし、私を目障りな存在だと敵視してくるしで嫌になってきた。そして働くのが嫌になり仕事を辞めて無職のニートのオタクとなってしまったのだ。ただ辞めるだけでは面白くないので、弊社のブラックな労働環境の部分を労基署に告発してやったことで会社は大騒動になったが、ざまぁ。
こんな感じで家族に迷惑をかけたマダオである自分にそんなことできる自信は全くなかったので、最初は断ったのだが、美しい女神はどんな神器・能力・才能も与えるといわれ、この話を受けることにした。
私が選んだモノは『自身が望んだモノを創造する能力』だ。
この力は自分が想像できるものは何でも創造できるが、無から有を生み出すような真似はできる土・石・砂・水・埃・ゴミ・木屑などの適当な材料が必要となる。神の力で生まれたチート能力ということもあり僅かな対価(材料)から『等価交換の原則』を無視した莫大な創造ができる。使いこなせば世界征服も可能そうだが、制約もあり想像力がしっかりしなければ道具にしろ、能力にしろ、才能にしろ、生物にしろ、魔物にしろ、神物(神獣)にしろ、ポンコツしか生まれない…。
前世では、学歴自慢できるくらいの大学の出で科学者端くれだった時期があり、オタク、マニアでもあり学力(知識)・雑学には一般人よりも自信はあるほうだ…。
女神が今まで送ってきた転生者たちは小学生・中学生・高校生と成人は送ったことはなく大学卒業どころか就職経験があるアラサーのヒキニートを送るのは初めてらしい、さすがにヒキニート呼ばわりに関してはイラッときたが、ここで文句を言えば機嫌を損ねてしまって特典をもらえず本当に裸一貫で転生させられかねないので我慢した。
知識を基に色々と創造したがしっくりくるものがない、自身の知見の浅さを思い知らされる。自身に不足しているものを補うためには成長する必要がある。
そういえば、どこかの偉人が発した言葉に『賢者は歴史から学ぶ』『愚者は経験から学ぶ』『経験に勝る知識なし』なんてものがあったな
私は成長するために、色々な知識・経験・技術が身につくといわれる【冒険者】になることにした…。
冒険者になるには冒険者ギルドへ行き手続きをする必要がある、街に行けば大抵あると女神に説明されていたので、まずは近場の街を目指すことにした。
途中で腹が減ってもチート能力で雑草を食物に変えたり、泥水を極上の清水に変えることもできるので全然心配がないと言いたいが魔物に見つからないか不安がある
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