とあるメイドの追憶
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ろうか!?
その為か暑さを我慢する事が出来ず、若い男性兵士が居る前であろうと平気で肌を露出させるのだ!
最初こそは長いスカートをバタつかせて太股をチラチラ見られる程度の状況で我慢していたが、暑さが増すにつれてスカートの丈は短くなり、終いにはキャミソールにホットパンツという出で立ちで闊歩する様になった。
内面は兎も角、外見は極上な女なのだ……
若い男共にとっては地獄の様な光景であろう。
何よりも腹立たしいのは、私が注意すればするだけ露出度を上げていく事だ!
私も我慢が出来なくなり、涙ながらにヘンリー陛下に訴えた。
陛下にも目に余る物があったらしく、即座に注意をしてくれた。
だがこの小娘は悪びれる事無く……
『じゃぁグランバニアから魔道空調機器を輸入して下さいよ。動力になる魔力は私が責任を持って込めますから』
と言って、あの小国に頼る様に具申。
ヘンリー陛下は義理の娘の目に余る痴態を鑑みて致し方なくであろうと思われるが承諾。
ラインハット城内の各所にグランバニア王国製の魔道空調機器が設置された。
悔しいが我が儘娘が腑抜けになるのも頷ける性能。
年間を通じて城内は適温を維持される様になり、快適に従事できる様になった。
この時ばかりは小娘に感謝した……が、噂を聞きつけた貴族方も挙って魔道空調機器を輸入する事になり、あの小国に資金が流れる事になってしまった。
性格の悪い小娘の事だ……これを狙っていたのだろう。
これだけでも本来であれば許されない事態なのだが、数ヶ月後に困った事へと陥る。
人間という物は便利な技術に慣れてしまうと不便な時代には戻れなくなる。
城内各所の環境が整うと、もうそれ無しでは堪えられなくなる。
それなのに、何やら実家が緊急事態という事で、約一年程ではあるのだが小娘がグランバニアへと帰国した。
あの破廉恥娘が居なくなる事に本来であれば喜ぶべきなのだが、導入した魔道空調機器に魔力を込める者が居なくなってしまったのだ!
正確に言えば魔力を込められる者は少数であれば居るのだが、その全員が小娘に比べ魔力量が大幅に少なく、人数も少なすぎて城内全域の魔道空調機器に魔力を行き渡らせるには至らない。
国中から魔力量の多い者を雇い入れるとなれば、それはそれで多大な予算を割かなければならない。
あの小娘が動力に関しては責任を持つと豪語したからこそ、一時の出費に目を瞑り導入した機器であるのに、責任を持たずに帰国してしまったのだ。
私を含め城内の者が数人でヘンリー陛下に意見具申をしたのだが、何でもあの小娘の父親が突然異世界に囚われてしまい、それを救出する為に王位継承権を持つ者が数名不在になってしまった為、血の濃い
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