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リュカ伝の外伝
酒は飲んでも、飲まれるな
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この()もしつこいわね。
「じゃぁサビーネちゃんにはあげな〜い! 3人で飲んでね」

「あ〜ん、私も飲むぅ!」
「今度感想聞かしてね」
エウカ(エウカリス)の訴えを無視して陛下は私達3人にだけ話しかける。

「じゃぁ僕は失礼するよ。これからラインハットの王子に会って、『ハゲからの融資は問題無い』って知らせるんだ。あとアイツの親父を殴る」
そう言って颯爽と出て行ってしまった。

「何で殴るのかしら?」
「解らないわ……ロマン・コンティを差し入れしてくれる人物のお考えは」
ワインをエウカ(エウカリス)から守っているピエッサさんと、陛下に惚れ込んでいるアイリーンさんの会話が聞こえる。




「ねぇねぇ〜そんな事よりさぁ」
陛下が出て行かれた事を確認したエウカ(エウカリス)が、ワインを桐の箱にしまっているピエッサさんに近付き、猫なで声で話しかける。

「ダメよ!」
「まだ何も言ってなぁい!」
「陛下には『飲んだ』と嘘吐いて、ワインを売ろうと考えてるんでしょ!?」
「まぁ! ピエッサパイセン(先輩)は心が読めるのかしら?」
誰でも解るわよ。

ピエ(ピエッサ)、ワインを貸して」
「?」
アイリーンさんにワインを要求されて、頭上に“?”を浮かべながらワインを渡す。

「これ……アンタが持ってなさい」
受け取ったワインは直ぐにエウカ(エウカリス)へと渡された。
何で!?

「えぇ〜……良いのぉ〜……?」
良くないと思います。
この()きっと売りに行くわよ。

「そのワインは今日の作業が終わったら、みんなで飲むのよ。アンタも仲間に入れてあげるけど、私達の作業中にワインが紛失していたら全部アンタの所為だから。包み隠さず全てを陛下にご報告します。その後の処理は陛下と……多分宰相閣下が下してくれるでしょう。陛下は女に甘いですけど、宰相閣下は甘くない上に性格が悪いです。もう一度言います……紛失したら陛下に言いますから!」

「ちょ、こわ! え、なに!? 怖いんですけど!」
「さぁ私達は一旦ワインの事を忘れて、卒業式制作に取りかかりましょう」
凄い威圧感でワインを渡され釘を刺されたエウカ(エウカリス)……ワイン入りの桐の箱を抱えて呆然としている。

「ちょっと考えてよ……55万(ゴールド)を4人で山分けよ。1人13万(ゴールド)以上よ! 心が揺れないの!?」
「その10億倍の金額で、やっと少しだけ心が揺らぐわね。そんな端金で陛下に嘘を吐くなんて冗談じゃないわ!」

「んもぉ〜ぅ! 売るなんて冗談に決まってるじゃ〜ん? ピクちゃんは解ってくれてるでしょ?」
「ゴメン、正直解んないわ。エウカ(エウカリス)だったらやりかねないし……」
アイリーンさ
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