第一章
[2]次話
ボロ家じゃない家
サラリーマンの夏目英はよく自分の実家がボロ家だと自嘲していた、それは交際相手で結婚を考えている大学時代から付き合っている隅田恵に対してもだった。
茶色がかった黒髪をショートにしていて卵型の顔で穏やかそうな顔立ちで目の光は優しく眉は太い。一七一程の背で痩せている。
「実家本当にボロボロなんだ」
「そうなのね」
恵は何でもないといった顔で応えた。大きな澄んだ光の目が印章的な童顔で眉ははっきりしていて適度な長さで顎の形がいい。肩の長さではねた黒髪を持っていて一五五位の身体は胸も腰も実に大きい。
「築何十年って感じ?」
「それどころじゃないんだよ。今度両親に紹介したいから」
恵と結婚を考えていることからこうも言った。
「それでだよ」
「その目で見てっていうのね」
「実際にどれだけオンボロか」
「そう言うけれどね」
恵は英に何でもないといった顔で答えた。
「私達今マンションに住んでるし」
「同棲してな」
これも結婚を前提としてだ。
「結構いいな」
「別に実家に住まないでしょ」
英というのだ。
「だからそんなにね」
「恵は気にしないんだな」
「そうよ」
こう言うのだった。
「別にね」
「よく実家がボロいとどうかっていう話あるからな」
「別に住まないし。まして古くてもね」
例えそうでもというのだ。
「暮らせたらいいでしょ」
「それならか」
「私なんかずっとお家アパートだったし」
そこで暮らしていたというのだ。
「一家でね。それで不自由しなかったし」
「別にいいか」
「お仕事がヤクザ屋さんでもないといいわよ」
「普通の農家だよ」
田舎のとだ、英は恵に答えた。そしてだった。
彼女を自分の両親に紹介する為にその実家に連れて行った、すると。
その実家を見てだ、恵は目を丸くして言った。
「立派なお家ね」
「いや、明治からあるんだけれど」
英はバツが悪そうな顔で答えた。
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